第24話

[夢]喫茶店の店員さん 1
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2020/03/10 16:53
※現パロ
※夢主が他の人を好いている描写あり
※年上我妻、喫茶店店員我妻がいます。
※恋愛要素少なめ。
どちらかというと我妻に励まされたい人向け



*

「…またか。」

はぁ、と思いため息をつく。
明るく光る画面に映る文字盤には、''別れて欲しい''の一文字が浮き上がっていた。

これで何回目だろう。
度重なる失恋にまたひとつ重いため息が出る。

気持ちが重い。

今までに付き合ってきた男の人は決まってそう別れを告げる。
私って重いのだろうか。
そもそも想いに重いもクソもないんじゃないのだろうか。人の人への想いなんだから重くて当然だろう。…私って、そんなに重い女なんだろうか。

好みのおかずをいれたお弁当、部活で体を動かし出た汗を拭くためのタオル、毎日欠かさずに告げていた私の彼への想い。
全部全部、「重い」の一言で済まされた。一蹴された。捨てられた。

「大好きだったのにな…」

夜の公園のベンチで1人呟く。
俯いて見えていたスカートに点々と染みができる。この景色は何回目なんだろう。

そんなことを考えてまた涙が溢れて止まらなくなる。


「どうしたの?どこか痛いの?」

突然降ってきた声に驚いて顔を上げる。
そこには、綺麗な金色の髪をした男の人が私を心配そうに覗いていた。

歳は20歳前後位なのだろうか、どこか大人びていて、身長も別れた彼より遥かに高かった。

私が泣いていたのに気付いて少しハッとした男の人は、優しそうな笑みを浮かべる。

「…ここじゃ冷えちゃうでしょ。近くに俺の店あるから、君が嫌じゃなきゃおいでよ。ご馳走してあげる。」

男の人は私に手を差し伸べながらそう言った。
一瞬戸惑ったが、優しい眼差しを携えるこの人が悪い人だとは思えなかった。

差し伸べられた手をおずおずと受け取ると、にこ、とひとつ笑ってから「じゃあ行こうか。」と私の手を引いた。

少しカサついている暖かい手だった。


*

続きます

3/10 訂正 タイトルの夢視点記載忘れてました

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