第10話

[夢]とんでもニャい血鬼術 リターンズ
735
2020/02/22 17:03
※猫化注意
※おふざけ注意



私が猫になってしまった日の次の日、まだどこか異常がないか確かめるため、私は蝶屋敷に訪れていた。
診察までまだ少し時間があるので、アオイちゃんのお手伝いをしよう。そう思い立ったので洗濯物を竿に干していた時。

「あなた!!!大変なんだ!善逸が…善逸が!!」
ドタバタと騒がしく駆けつけてきたのは、意外にも炭治郎くんだった。
…なんだかデジャヴ?
「というか何で私がここにいるってわかったの…?」
「ああ、匂いで。」
「便利だなぁ…」

*

『善逸くんが大変』


「善逸くんが…血鬼術で猫に?」
「そうなんだ。術をかけた鬼は善逸がすぐに首を斬ったんだが、効力が強いみたいでまだ猫のままなんだ。」
次は善逸くんの番かあ。そうぼんやりと炭治郎くんの状況説明を聞きながら善逸くんの元へ行く。

「炭治郎…何でお前、あなたちゃんを連れてきちゃったんだよぉ!!!!」
「えっ…………」
私が想像していたのは、昨日私がかかってしまった血鬼術のように全身猫化だと勝手に思っていた。しかし
「善逸くん……かわいい〜!!!!」
そこにいたのは紛れもない人間の善逸くんで、彼は尻尾と耳が生えているなんとも可愛い姿をしていた。
「男に対して可愛いは褒め言葉になるのか…?」
「ならないわ!馬鹿炭治郎!!!なぁんであなたちゃんを連れてきちゃうワケ?!俺の面子が潰れまくりだよ!!!!!」
「それは元々だから気にすることないわ」
「酷くなァい?!ていうかそもそも何で俺にこんな血鬼術かかっちゃった訳?!普通ならあなたちゃんがこういうのにかかるはずでしょ?!嘘すぎじゃない?!ねぇ嘘だと言ってェェエエ工!!!」
「うるさいし不謹慎だぞ善逸!」
「そうよ、私だって大変なんだから。あと普通にうるさい」
「酷い!酷すぎない?!ちょっとは心配してよぉ!!」
オロロンと泣く善逸くん。
そこはにゃーんとかじゃないのか…猫要素薄めなのね。
「とりあえずこれも時間が経てば治るようだから、様子見していこう」
今回は胡蝶さんが蝶屋敷に留まることを許してくれたそう。猫要素薄目だからだわきっと。

*

「………善逸くん」
「…なんだよ」
「耳、触ってみてもいいかしら?」
「それ何回目だよ!!!!!」
多分、もう4、5回は言っている。でもまだ4、5回だ。
「し、しつこかったかしら…」
しゅん、としてしまう。
そうよね。元々善逸くんは耳がいいのに、もしかしたら猫耳になってもっと聴覚が敏感になってしまっているかも知らない。
「配慮がなってなくて申し訳ないわ…」
「いや別に聴覚は変わらんけど」
「変わんないのかよ」
素で突っ込んでしまった。
だったら触らせてくれたっていいじゃない、ケチ…もふもふしたい。
「あぁーもうそんな音させないで!そんな目で見ないで!!!!しょうがないなぁ、ちょっとだけならいいよ」
本当は恥ずかしくて嫌だけど。と言いながら頭を差し出す。
「ありがとう…わぁ、ふわふわなのね、とても毛並みが綺麗だわ」
耳に毛並みもクソもあるか、と自分に突っ込んでしまう。
さりさり、くるくる、もふもふ…
「ちょ、あなたちゃん、そこ俺のほっぺ。人間の部位。」
「あらやだ私ったら夢中になっちゃって…」
だって最高に楽しいんだもの。
…それにこんな合法的に好きな人に触れるんだから、もう少し堪能したい。
「……!はぁ、もう…お前ってやつは…」
善逸くんは急に頭を抱える。
あっ
「もしかして、音…聞いたの」
「聞こえちゃうでしょ!!!仕方ないの!こんな甘ったるい音させてさぁ俺の方が照れるじゃん!!」
善逸くんは真っ赤な顔でそう叫んだ。
は…
「恥ずかしい!!」
恥ずかしさが頂点に達し、その場に逃げようとする。
が、善逸くんに腕を掴まれ阻止されてしまう。
「どこ行くの。ずっと黙って触らせられてたんだ、次は俺の番だよね?」
にこ、と悪魔のような笑みを浮かべる善逸くん。おかしいわ、彼、こんな人だった…?

それから数時間、善逸くんに拘束されるのはまた別の話。



*




おまけ(メタ発言注意)
会話文のみ



「同人世界だと猫耳と尻尾ってよく性感帯にされやすいっていうのが掟みたいな所あるけど、善逸くんの耳と尻尾にはそういうのないのかしら?」
「同人…?いやてかそれ触りながら言う?普通…特に感じるものは無いけど…てか本当に性感帯だったらこの小説R指定入っちゃうじゃん。つまりそういう事じゃないの」
「善逸くん、メタ発言が過ぎるわ。ダメよそういうのは」
「お前に言われたくない。でもさぁそれが性感帯だったらあなたちゃんはどうしてたの」
「絶逃(絶対逃げてる)」
「は?逃がすもんか。俺に逃げられるとでも思ってんの?」
「私、希望は捨てない主義なので。」
「今拘束されてるのによく言うよ」




*
猫要素生かせなくて悔しかったのでまたいつかリベンジします

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