第22話

[夢]男なんだけど。
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2020/03/04 19:19
※現パロ
※我妻、女装します




*

「…我妻くんってさ、女装とか似合いそうだよね」

「…はぁ?」

休日の自室、何故か高校1年生の頃から仲がいい我妻くんと休日に勉強会を私の部屋で開催していた。

参加者は、私と我妻くん、以上2名。

つまり2人きりな訳だけど、私と我妻くんとの間柄では甘酸っぱいイベントなんてものは発生する空気さえ流れてこない。

その最中さなかでのあの私の発言である。
彼の「はぁ?」には怒気が含まれていた。

「こわっ不良じゃん…いやほら我妻くんてば黙ってれば顔の造形綺麗だし、肌白くて地毛?の金髪もすごい似合ってるし髪サラサラだしワンチャン女の子になれそうだな〜って…」

「色々ツッコミたいけどやらないからな俺は」

何が悲しくて野郎が女の子になるんだ、と。

「第一女の子はなぁこんな筋肉質じゃないし髪の毛は俺なんかのよりももっと絹みたいでサラサラだし肌もきめ細かくて柔らくて…」

あぁ始まってしまった、我妻節。
こうなったら誰にも止められない。

ふーんへーほー、と聞き流していれば更に怒られる。

「…だから俺には女装なんて似合わないし第一女装って言葉は俺には地雷なの!!!」

はぁはぁと息を切らしながら熱く語る男、我妻善逸。

「そっかぁー、私我妻くんの女装、すっごく見たかったのにな〜…」

と目を伏せてみる。私の精一杯の色仕掛け作戦実践中。

なんかもうこうなったら意地でも見てみたい。
ちら、と我妻くんを見れば、ほんのり頬が赤く染まっていた。

えっこれイケそう。頑張れ私。

「我妻くん…どうしてもダメなの?」

そう机から美を乗り出せば、向かいに座っていた我妻くんは身を仰け反らせる。

はは、タコみたいに真っ赤。

「そ、んなに見たいの…?」

「うん、見たい」

「面白くないよきっと…」

それでも見たいの!
そう言って両手で我妻くんの手を握れば、う…と言い

「仕方ないなぁ…少しだけだからね」

ため息混じりに呟いた。
勝った。

*

他人にメイクを施すのは楽しい。
自分じゃない顔は、まるで真っ白なキャンパスに新しい絵を描くみたいだ。

我妻くんに似合いそうな色を選んでいく。

「私、目尻に濃いめの赤のシャドウ入れるの好きなんだよねぇ」

ぶつぶつと呟きながらハイテンションで顔を完成させていく。

「我妻くんてばほんっとに髪の毛サラッサラ…羨ましい〜」

「なんでもいいから早くして!!俺女の子に触られ慣れてないの!!恥ずかしいの!!」

「ごめんて」

これはウィッグ要らないな。
前髪に分け目を付けるように可愛らしい色ピンで我妻くんの髪の毛を留める。

「っ出来たよ!!」

我ながら上手くできたと思う。

我妻くんに手鏡を渡してみる。どんな反応するのかな。



*

長いので一旦切ります

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