第2話

2話
4,292
2019/01/25 09:10
夕日
夕日
ねー、あかり?
もう新しい恋探したらー?
楓
...やだ。
夕日
夕日
だっていくら幼なじみでもさ、
結局あーゆー女子の取り巻きの1人にしか見られてないかもだよ?
楓
うぅ...。


夕日の言ったことは明らかに図星だった。

だから、言い返したくても言葉が見つからないのが悔しい…


女子
おーい楓〜。
なんかA組の男子が呼んでるけどー
楓
え?私?
...分かった〜
夕日
夕日
楓!チャンスじゃーん!
楓
いや何が?
私、なんかしたかな
夕日
夕日
もうほんっと鈍感なんだから!
告白じゃん絶対!
楓
えっ!?うそ
夕日
夕日
いーから!早く行きなー!
楓
ち、ちょっと夕日!


私は夕日に押されながら、呼ばれた屋上に行った。


楓
(あの人かな…。)
男子
あ、こ、こんにちは...


なんかめっちゃオドオドしてるじゃん。

ほんとに告白なの......?


男子
...じ、実は!
楓
ごめんなさい!!!

私は広臣と付き合えなくても絶対諦めたくはない!

だから、はっきり断わった……けど

男子
え?なんで謝るんですか?
楓
...え?だって告白じゃないの?
男子
違いますよ……笑
僕は岩田くんに聞いてって言われたことを聞こうとしただけで…
楓
へっ!?
あ、あは...笑そなんだ

とんだ赤っ恥をかいた……/////

夕日が変な事言うからてっきりそう思っちゃったじゃん!

楓
夕日のバカ…!
……で、岩田って、誰?
男子
えぇ?!知らないんですかぁ!?
あんなに有名なのに……
楓
うん。ごめん。知らないわ笑


私は広臣しか眼中にないからほかの男子には興味が無いんだよね…

でも岩田って...どっかで聞いたことあるよーな…


女子
きゃぁぁぁぁーーーーー!
楓
えっ。何事?


また広臣の取り巻き?

校庭から聞こえるけど、、、、。

男子
ほら!校庭の真ん中見てください!
あれが岩田くんです!
楓
この悲鳴が……広臣のじゃない!?

すかさずフェンスごしに校庭を見た。

そこにあったのは、1人の男子を取り巻く女子の姿。


男子
いやー、あんな人気の人に目つけられるなんて
あなた、幸せものですよ〜笑
楓
あははっ笑
何それ〜、嘘やめてよ


何言ってんだこいつ…笑

こんなことをわざわざ言うために屋上に呼び出したわけ?

楓
じゃ、私帰るねー
男子
え?まだ聞きたいこと聞いてないんですけど...


こんなことで時間を潰されるくらいなら、

夕日とこの出来事について会議する方がよっぽど楽しいし…… ん?


楓
(ドアの前に、人影がある...)


あぁ、夕日か。

今の会話聞いてたなら、このことは説明しなくてもいっか。





🚪 ガチャっ!!



楓
夕日ー!
立ち聞きするなんてどういうつもり...... っ!?

夕日じゃない……!

目の前に現れたのは、でっかい壁...のような人。

登坂広臣
登坂広臣
…………よぉ。
楓
ひ、広臣...!
登坂広臣
登坂広臣
立ち聞きするつもりはなかったんだけど……


そんなことより...今はこの状況が理解できない!

逃げ出したい……

登坂広臣
登坂広臣
あの…さ、ちょっとだけ時間ある?
楓
ご、ごめん!
帰るね私!!!じゃあ!


風船みたいに膨らんだ私の胸が破裂する前に!

この場から...消えたい……

その一心で足を出した...のに

登坂広臣
登坂広臣
ちょっと待てよ!


がしっ!


楓
きゃっ!


広臣に掴まれた腕が熱くなっていく。


楓
は、離して……

身体中が熱くなってきて沸騰したみたいに、

私の心臓の鼓動が早くなってる......!

登坂広臣
登坂広臣
お願い……逃げないで。


そう言うと広臣は私の腕をつかみ、

強引に引っ張った。



プリ小説オーディオドラマ