第3話

3話
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2019/01/25 11:05
楓
ねぇ広臣...、腕、離して

私の腕を掴んでひたすら歩く広臣。

話しかけても、反応ナッシング……

二人きりになるのって高校生になってから、まさかの初めて?


楓
(小さい時はそれが当たり前だったのに……)
登坂広臣
登坂広臣
...ついた。先入って
楓
え?やだよ。気味悪いもん


広臣が私を連れてきたのは旧校舎の端っこにある、

ほとんど人が来ない“ 小さな会議室 ”だった。

薄暗くて、入るのがためらわれる……


登坂広臣
登坂広臣
いいから。
楓
ち、ちょっと押さないで...


広臣に無理やり部屋に入れられて、入ったはいいけど。




🔑 ガチャッ!




楓
鍵なんか閉めなくても
登坂広臣
登坂広臣
話したいことがあるって言ったじゃん?
楓
...まぁ、それはそうだけど


密室状態。二人きりで。

周りからしたらかなりやばい状況じゃん……

楓
あのぉ…それで話したいことって…何?


とにかく気持ちに気づかれないように平常心たもたないと。

そうでもしなきゃ、心臓止まるし。

登坂広臣
登坂広臣
……なんで俺を避けんの?
楓
え?何それ...
登坂広臣
登坂広臣
さっきだってそーだけど、
俺を見ると逃げるじゃん...
楓
そ、それは...


そりゃーそうでしょ!

周りの女子の目が怖いし、何より緊張するもん!


楓
避けるつもりは、ないけど……
登坂広臣
登坂広臣
けど?
楓
特に理由はないかなぁ〜……あはは。


これが限界です。

今は何を言っても変な事言っちゃいそうだからこれで終わりにしとく。

登坂広臣
登坂広臣
......あっそう。
あと1つ気になることあるんだけど、さっきなんで屋上にいたの?
楓
ええーっと。
岩田って人が私に聞きたいことがあるとかなんとか。


結局、あの男の子から岩田って人の事なにもきかなかったから、

どーゆーことか自分もわからない。

登坂広臣
登坂広臣
岩田が……?
楓
うん。その人がどうかした?

……んん?なんか動揺してる。

知り合いなのかも、聞いてみよっかな?
楓
どんな人なの?
登坂広臣
登坂広臣
...知らね。
なぁ、あいつはやめた方がいいよ。
楓
なんで?嫌いなの?


岩田って人、女子から人気らしいし、

嫌われてるようには見えなかったけど。

登坂広臣
登坂広臣
とにかく、あいつはダメ!
俺が許さない。
楓
……なんで広臣が決めるのよ。
それくらい私が決める。


ちょっと強く言われたから、ちょっと強く言い返したけど、

広臣はなんで急にそんなこと言い出したのよ。

登坂広臣
登坂広臣
...だったら俺が、
楓
え、なに?


何か言いかけた広臣が近づいてきた。

登坂広臣
登坂広臣
俺が、男のこと色々教えてやるよ。
楓
何それ...?
そんなのいらない!


そんなの、教えてもらったって結局結ばれないんだから。

ほんと意味わかんないよ。

登坂広臣
登坂広臣
明日、放課後にまた会議室来いよ。
楓
いいって言ってんじゃん


久しぶりにちゃんと話せて嬉しかったのに、

そんなこと言うから、自分を締め付けることになったじゃん。

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