あなたside
今日は廉が言ってた、ananを買いに行きます。
なんか廉、表紙なんだって。
なんか旦那さんが表紙に載ってるって不思議な感じ。
あ、これかな。
なんかこの廉…えっちぃ、
あ、やっば、永瀬廉の嫁だけど、その前にファンであり、オタクであるから…オタクがバレる…。
さっさと買って家に帰らねば…、
何冊買おうかな…とりあえず見る用、保存用、解体用、3冊買っておこう…。
【会計を済ませ、帰宅】
さて、読もー、
ぺらぺらぺら
あ、ここか、
ananだからこうゆうシーンは普通なのかなって思うけど…、
流石に…、既婚者にこんなことさせる…?
しかも今田さん…、
なんだろ、この気持ち…
今すぐ廉に会いたい…
廉side
夜8時
いつもより早く仕事が終わって家に帰る。
いつもなら玄関まで来て「おかえり」って言ってくれる彼女の姿がない。
リビングまで行くと、部屋の電気はついてなくて、すぐに電気をつける。
ぱちっ、
すると…
ソファーと壁の間にちっちゃくなって座っていて、近寄って、しゃがんで、あなたと目を合わせると
名前を呼ばれてすぐに抱きつかれた…
え、どゆこと?
けど、何かに気づいたのか事を誤魔化して俺からすぐに離れた。
軽く頷いて、さっきまでの様子を思い返す限りきっと、美桜とのを見て嫌になったんだって思った。
チラッとリビングの机を見ると俺の表紙が3冊置いてあって、
そういうと、リビングを後にしたあなた
俺は今、彼女を1人にしたくなくて、きっと、影で泣くんだろうなって、前みたいに。
それが嫌で、すぐに追いかけて、
棚を見て探しているあなたを後ろから抱きしめた
そう聞くと、抱きしめていた彼女の肩が小刻みに震えだして、俺の手の甲に水滴がポタポタと落ちてくる
結婚した今でもあなたの気持ちが読み取れないなんて最低だな…俺は
大好きって言いながらあなたの首元に回してる俺の手を握ってくれるあなた。
そんな彼女が大好きで、愛おしくてたまらない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。