第18話

じゅーろく
5,068
2021/07/22 07:20
私は水圧で空中へのし上がると、それ以上の水圧で敵を凹ませることに成功した。




あぁ、クソッ

なんで助けた?!


体が動いたんだよ!!



そんな自問自答をしてみたが、くだらないな、と自ら却下した。


私が攻撃したことで、女の子は自然に0Pヴィランからは解放され、空を落下していた。



私は自分も落下する中、女の子を自分の胸へと引き寄せ、地面に手のひらを向けて水を放つ。


段々と水圧を弱くして、無事に着地することができた。


あなた
大丈夫?!
??
うん!あ、ありがとっ!!
あなた
ううん、いいんだ、よっ!!
私は向かってくる敵に攻撃をしながら、彼女に怪我がないかを確認した。
あなた
ん、まだ戦える?
??
戦える!
あなた
っしゃ!!じゃあ行け!
私は彼女を立ち上がらせて背中を軽く押すと、別の方向にいるデカい敵の方に駆け出した。


そこからしばらく先戦闘を続けていると、また、アイツがいた。



0Pヴィラン。



鬱陶しいね。


私が見ていると、そいつが私の方に向かってくる。



は?私を狙ってる訳?いい度胸じゃん



私はそいつに向かって走り、水圧で自分を押し上げてそいつの上に乗っかった。



0Pヴィランは私の居るところを叩こうとするが、………ノロすぎだよね


私はそこから思いっきりジャンプをすると、頭に水をぶちまける。



あなた
(あーあ、これが氷やったら良かったのにな……)







その瞬間




私の手のひらに、今までにない感触がした。


何度瞬きしても同じ……



信じられない。



だって……だって私の手のひらから……




氷が出てきた



しばらくしてやっと自分が落下し続けていることに気づき、左手から水を出して自らを支える。



頭が氷に覆われた0Pヴィランは………倒れた。



そして、うるさい喧騒のなか、プレゼントマイクの終了の合図が鳴り響いた。











帰りは、いつも通り。勝己と一緒。



勝己は隣で、自慢げにズカズカと歩いている
爆豪勝己
爆豪勝己
あんなもん楽勝だったぜ!!
モブ共も没個性ばっかりでつまらんかったわ!
あなた
………あのさ、勝己
爆豪勝己
爆豪勝己
……あ"?
あなた
私……今回の試験で、個性が成長したかもしれねぇ
勝己とは目を合わせず、ゆっくりと、噛み締めるようにそう口にした。


隣の勝己は見えなかったけど、何となくわかる。



驚いてるんだ。
あなた
ちょっと手、出してみろよ
勝己は大人しく私の方に手を差し出してくる。



私はその上に手を出すと、勝己の手に水をかけた。
爆豪勝己
爆豪勝己
……あっちぃ!!
勝己は顔をゆがめて手のひらを爆破している。




……………ゴメン
爆豪勝己
爆豪勝己
……温度調整か









その時の勝己は、なんだか笑っているように見えた

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