私はチラッと腕時計を覗き見る。
6:15
5時30分から走っているので、思っていたよりも走っていたようだ。
そこから私たちは会話も何も無くただただ走り続けた。
すると無事、自分の家が見えてくる
……?
まあいいっちゃいいけども…
元気よく手を振ると、勝己は小さくそれに答えてくれた。
私は家に入って、汗をふきとる。
汗でベタベタになるのは嫌だが、こういう汗は割と好きだ。
なんか、自分の努力の結晶みたいな感じがして、嬉しくなる。
一通り吹き終わると、私は朝食を作るためキッチンへ入った。
朝食とは言っても、ごく簡単なものだけだ。
ご飯に鶏そぼろ、サラダ。
少し少ない気もするが、そこは無視しておこう。
私は全て食べ終わると、今日のメニューについて考え始める。
朝走ってモチベーションが上がっているので、出来ればこれに乗っかって勉強を始めたい。
結局、午前中に勉強、午後に訓練
という曖昧な計画しか立てられないまま、私は動き始めた。
なんか無いかな。と思い、ジャージのポケットを探る。
まああるはずが…
カサっ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。