さとみside
俺はあえて莉犬となーくんにあなたに告白すると伝えた…
理由は簡単
2人もあなたが好きだとわかっているから
このあところんにも言うつもり
俺って結構最低なのか?w
でもこの際どうでもいい
ずっと探してたんだ…あなた
俺は人目見た瞬間からわかった
その時、心に暖かい熱が流れて
やっぱり好きなんだなぁって実感した
俺はあなたじゃなきゃ嫌だ
ころんにも
ぜってぇ負けねぇ
ころんは不思議そうにこっちを見ていた
そりゃそうだ
俺らの家は反対方向なんだから…
あ、なーくんにも言っとかなきゃ
驚いてるなぁ
とりあえず帰るか…
俺たちは靴箱へ足を進めた
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ころんside
当たり前だ
何年一緒に活動してきたと思ってるんだ
こんくらいわかる
さとみくんは笑ってこっちを見た
それはとても
悪魔のような笑顔だった…
うそ…
嫌だ…
絶対に嫌だ
僕が、僕が…俺が!!!!!
あなたを守るんだ
絶対に渡さない…
鼻で笑ったさとみくんは、強く握った拳を俺の方へ向けて笑った
あぁ、俺、めっちゃいい友達いるじゃん
文化祭の日、あなたが言ってくれた言葉が思い浮かんだ
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この瞬間、涙が流れそうになった
そうだね、あなた
こんなに近くにいたんだね
僕は出そうになる涙を抑えて拳を突き出した
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!