『ちょっと待ってください』と言って
スマホを口元から離すと
廉が みんなに尋ねた
廉は スマホを口元に戻し
再び話し始めた
話を終え
耳元からスマホを離し
通話終了ボタンを押した
紫耀が『ありがとう』と言いながら
スマホを手に取り
メッセージを打とうとすると……
《https://***
このお店だよー
廉の名前で予約してる
ちょっとわかりにくいから
わからなかったら連絡してね》
メッセージを打ち終え
顔を上げると
ニヤニヤしている メンバー達と目が合った
って言いながら
岸の服を掴み
ブンブンしている
ブンブンされながら
困った様に言う岸
ブンブン
……
......
ビヨーン
ビヨーン
引っ張られた場所を
伸びていないか 確かめている姿を見て
クスクスとみんなの肩が揺れる
身支度を整え
楽屋を後にするのだった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!