第60話

🍀
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2021/03/08 10:00
you🕊
you🕊
は……
そう呟き、固まった私を見て、轟くんが珍しく慌てる。
轟 焦凍
轟 焦凍
あ、悪い……
轟 焦凍
轟 焦凍
そうだよな、前も苗字言うの嫌がってたもんな…


いつもなら、気にしないでと言えただろう。

けれどこれ以上の口を開いたら、轟くんを傷つける言葉が出てきてしまいそうなほどに、

私の中の黒い感情は大きくなっていた。
you🕊
you🕊
っごめん…!!

ガチャンッと音を立てて揺れたテーブルには
目もくれず、
轟 焦凍
轟 焦凍
は?おいあなた…
お会計を今までになく速いスピードで済ませた私は、
轟 焦凍
轟 焦凍
待てって_

轟くんの制止にも従わずに、全速力で走った。



分かんないよ、轟くんには、

轟くんにはお母様がいたんでしょ、

自分が自分でいられる場所があったんでしょ、

私にはどこにもそんな所、無かったよ…
you🕊
you🕊
違う違う違う…!!


自分の醜い本音が、するすると出てくる。

轟くんに文句を言うのは間違いだと分かってはいる。
分かってはいるけど__


you🕊
you🕊
止まれったら…!!


私の内側なかから溢れ出す不満は止まらない。
こんなにも自分は醜いのかと、怖くなって、
いつの間にかたどり着いていた展望台で

私は耳を塞ぎ、目を閉じて、
ただただ冷静になるのを待った。










轟 焦凍
轟 焦凍
あなた、
you🕊
you🕊
嫌、来ないで


優しい声がした。
今すぐ振り返って、抱きついてしまいたかった。



震え出す両手を押さえつけながら背中を向け、

私は精一杯の拒絶を見せた。


you🕊
you🕊
お願い…来ないで

そう言うと轟くんは、何も言わずに去っていった。

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