第69話

🍀
2,731
2021/03/15 09:26
轟 焦凍
轟 焦凍
そろそろ、帰るか
you🕊
you🕊
そうだね、
あれから、たくさんたくさん話した。

全部ではないけど、私がどんな思いでこれまでを過ごしてきたのかも、少し話した。


もう空を見ると夕暮れではなく、真っ暗になっている。




名残惜しいけど、仕方がない。

もういい時間帯なんだから、引き止めたって焦凍くんが困ってしまうだけだ。

でも、

"まだ一緒に居たい"なんて…

好きだってことを自覚したから思ってしまうのだろうか。

轟 焦凍
轟 焦凍
…そんな顔すんな
轟 焦凍
轟 焦凍
明日も会おう
you🕊
you🕊
…!!
you🕊
you🕊
うん!!

感情の起伏が、今まで生きてきた中で1番激しい気がする。
いつか読んだ、あの小説の主人公ヒロインも、恋をしてこんな風な気持ちになっていたっけ…

私は主人公ではないから、あんなにキラキラした恋はできないのだろうけど。
でも、嫌な気分ではない。


むしろその逆で、焦凍くんの隣にいられるだけで気分は高揚する。

繋がれた右手をちらりと見て、また頬が緩んでいくのが分かった。
you🕊
you🕊
焦凍くん、
轟 焦凍
轟 焦凍
なんだ
you🕊
you🕊
明日は、どこに行こうか
轟 焦凍
轟 焦凍
あなたの行きたいところでいい
you🕊
you🕊
ふふ、そっか
you🕊
you🕊
考えとくね
轟 焦凍
轟 焦凍
おう

私はふと、隣で歩く焦凍くんを見た。
さっき好きだということを自覚したせいか、心なしかフィルターがかかったように輝いて見える。
轟 焦凍
轟 焦凍
?どうした?
you🕊
you🕊
な、なんでもない
轟くんの顔が格好良いと思っていた、なんて口が裂けても言えない。

そんな、まどろっこしいやり取りを続けながら、家路についた。

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