第13話

不死川玄弥
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2020/09/24 13:48
髪を整えてもらってからというもの、おばさんは誰にしてもらったのかなんて問い詰めることこそしなかったが、


無言の圧力というものを発していた。


そのうち機嫌が直るだろう。


そう信じていた私はただのバカかもしれない。


日に日に悪くなっていく機嫌。


その日はたまたま爆発してしまったんだと思う。


私が笑顔で家に帰った日、


「何がそんなに楽しいんだい」


と言って殴り倒され、家から追い出された。
月に何度かある。


高校に入ってからは初めてのことで、少々狼狽えてしまったが、すぐに冷静さを取り戻し近くの公園へと向かう。
列記とした春といえど、4月下旬。まだ夜は少し肌寒い。
叩かれた頬がじんじんと痛むのを感じながら、ブランコに腰掛けてギィギィと音を立てて漕いだ。
あなた

夜ご飯、どーしよっかなー

ぼーっと空に浮かび出した月を眺めて、ふっとため息をつく。
携帯の充電は34パーセント。


所持金は217円。


圧倒的絶望。


もっと暗くなる前にコンビニへ行こう。と意気込んで高く漕いだブランコから地面へ、タッと降り立つ。
.

.

.
「ありがとうございましたー」
ぶっきらぼうな店員の声を背中で受けながら、コンビニを後にする。


得た食糧は、おにぎり2つ。
いいダイエットになるさ。とポジティブに捉え、歩きながら1つ目のおにぎりを口に運んだ。
元の公園へ戻ると、まず滑り台と一緒に造設されたトンネルの中へ自分の荷物を入れ込む。


そしてその中に自分の体を押し込んだ。
あなた

ここに来る度に狭くなってる気がするや…

子供用に作られたトンネルに少し窮屈さを感じながらもなんとか身を納め、2個目のおにぎりを頬張る。
ご飯を食べ終わると、完全にやることが無くなってしまったため、水を飲んでから寝ようと外へ出た時、懐中電灯の明かりに照らされた。
警察官
あー、君。こんな時間に何してるの?
警察。初めての補導。


おばないに、村田センセに…不死川センセに、迷惑がかかる。


終わりだ。人生、終わりだ。
警察官
黙ってちゃ何も分からないよ?
あなた

あ…え、と…

警察官
住所は?保護者の電話番号は?
あなた

おばさんの電話番号なんて教えたら…
警察を振り切って逃げようか。


どっちみち制服なんだから時期に身元はバレる。
あなた

えと、住所は…

??
あなたー!やっと見つけた…
突然現れた男の人…いや、男の子は、私の顔を見て合わせろと言わんばかりにウィンクしてきた。


イカつい顔してなに爽やかさんみたいなことしてんだあ!!


と心の中でツッコミながらも、なんとか合わせようと試みる。
あなた

お、お兄ちゃんごめんなさい…っ、急にお家飛び出しちゃって…

??
もうこれで仲直りな?すいません、妹がご迷惑をおかけして…
警察官
君ほんとにお兄さんなんだね?
??
はい!
警察官
これからはこんな時間に外に出ないこと、分かったかい?
あなた

すいませんでした

警察官は、私たちが帰るまで見守るなんて言うもんだから、仕方なくかばんを持ってその男の人についていく。
曲がり角を曲がって、警察官の姿が見えなくなった時に、ありがとうございましたと私から口を開いた。
??
1人で何してんだか、
あなた

あの、私のこと知って、?

??
俺は隣のクラスの不死川玄弥。
あなた

え、ええ?!

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