第15話

"家族"
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2021/01/28 12:39
あなた

も、もしかして不死川センセの息子…?

不死川玄弥
ちげえよ、弟だ。
あなた

そう、だったんだ…

不死川玄弥
これからどうすんだよ。
あなた

どうって、なにが?

不死川玄弥
家に帰れんのか?
あなた

いや、帰れない…です。

「そうだろうと思った」と言って玄弥は私の頭に手を置くと、顔をまじまじと覗き込んでくる。


やだん、先生に似てお顔がよろしいこと…!
不死川玄弥
俺ん家に来い
あなた

い、いいの?

不死川玄弥
おう。こんなとこに1人置いてけねえし。
あなた

ありがとう…!

着いてこいと言わんばかりにスタスタ歩きながら、先へ進んでいく。


え、でもさすがにセンセはいないよね?一人暮らししてるよね?なんなら彼女とかと仲良く暮らしてるよね?大丈夫だよね、?
心配だけはかけられない。


そんな心配を察したのか玄弥は私に、「兄貴はいねえから」と振り返りながらそう言う。
あなた

私の事よく分かるね!

不死川玄弥
…まあな。
.

.

.
不死川玄弥
ただいま
不死川寿美
お兄ちゃんおかえ…彼女?!
不死川志津
あれ、玄弥に…あなたちゃんじゃない!
あなた

志津さん!

不死川玄弥
なんだ知ってんのか?
あなた

うん、髪切ってもらった!

不死川玄弥
なるほどな…
どうして私が玄弥に拾われたのか。その経緯を簡単に説明されると、不死川家は快く私を迎え入れてくれた。
不死川家で過ごす一晩は私にとって、物心ついて初めての"家族"という温かさを感じる時となった。

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