ガラッ
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生徒指導室から出て、反省文を振り回しながら歩いているとおばないに会った。
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『理科準備室にて』
おばないが冷蔵庫から桜餅を出してきて、1個私にくれた。
てへっと言って笑うと、鬼みたいな顔してちょっと怒ってた!
ごめんおばない!直感でそう感じちゃったのさ!
そして、そのまま理科準備室で宿題してたらいつの間にか寝てた私。
勉強してるからとそっとしていたおばないも、寝てたと知った時はびっくりしたらしい。
起きたときは6時まであと10分というところだった。
今世でもあのおばに苦労させられているのかと気づいたおばないは、白衣を脱いで椅子にかけた。
駐車場に走って行くと、黒の車が1台止めてあった。
一応ナンバーを確認する。
ナンバーがきちんと601であると確認した後、鍵を開けて車に乗り込むと、桜のような甘いにおいがした。
車間違えたかなと心配になったが、すぐにおばないが乗ってきたので安心する。
そして、6時ぎりぎりではあったが、なんとか家に帰り着くことができた。
そう言うと、タタタッと家の中へ走って行ったのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。