第14話

どうするの?
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2020/09/21 14:11
辰哉「あなたちゃん、ちょっといい?」



と言って彼は楽屋から私を連れ出す



彼に見つからないように



人気のない廊下で彼が立ち止まり喋りだす



辰哉「あなたちゃんはどうしたいの?」


「モデルの仕事はやってみたいとは思う」


「でもみんなに会うどころか隣の家の大介にさえも会えなくなるのは嫌だ」


辰哉「じゃあみんなと同じ意見ってことなんだね」


「うん、今はね」


「スタイリストのお仕事させてもらってやりがいももちろん感じたし、いい仕事だとも思っているよ」


「でもこのままみんなのスタイリストになるわけでもないし、それならやりたいことやりたいなって思う」


辰哉「なるほどな」



すると彼のスマホが鳴った



辰哉「…もしもし、はい、…わかりました」



すぐに電話を切る彼



「どうしたの?」


辰哉「社長から、あなたちゃんの連絡先書き忘れたから伝えてって」


辰哉「一度そこの事務所の方と会ってみたら?って」


辰哉「連絡先は俺に送ってくれるらしいから」


「わかった、1回その方と話してみる」


辰哉「うん、連絡先きたら転送するね」


「ありがとう」


辰哉「お互い、切磋琢磨できる関係になれるといいな」


「うん、少しでも早く追いついてすぐに今みたいに会えるようになれるなら…って思ってるよ」


辰哉「あなたちゃんなら大丈夫だよ、絶対に」


「ありがとう」


辰哉「佐久間には言わないのか?」


「うん、自分の気持ちが固まってから全てを話すつもり」


「ほら、事前に話すと辞めろとか言いそうじゃん?」


「それに元々私がモデルやることにあまり賛成はしてないみたいだし」


辰哉「その分恋のライバルも増えかねないからなぁ」


「大丈夫なのにね」


辰哉「わかんねぇよ?佐久間よりいいと思える人に出会えるかもしれないよ?」


「いるかな?そんな人」


辰哉「まあ今のお前らなら大丈夫そうだけどな」


辰哉「そろそろ戻るか」


「うん、ありがとう、心配してくれて」


辰哉「いつものことじゃん、気にすんな」



と彼は私の肩をポンっと叩いて楽屋へ戻って行った



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