公演が終わり、私はお客さんがほとんどはけてから彼らの元へ行く
楽屋に着いてドアを開けると
ラウ「あなたちゃーーーん!」
と彼に飛びつかれる
「ラウちゃん!かっこよかったよ!」
ラウ「えへへ、ありがとう!」
亮平「あなたちゃん!なんでペンラもうちわも佐久間なの!?」
「えへ、ごめんね?でもファンサ嬉しかったよ」
亮平「あなたちゃんにファンサするなんて当たり前じゃん?」
「えへへ、嬉しい」
辰哉「あなたちゃん」
「ふっか!昨日はありがとう!」
辰哉「そのぐらいいいよ笑笑」
辰哉「なんかこの後、社長が会いたいって言ってたから来るまで待ってて?」
「え、なんだろう?わかった!」
「てか私何気に社長と会うの初めてかも笑笑」
大介「あなた〜!今日の俺、どうだった!?」
「大介!」
かっこよかったよ!って言いたかったけど
瞬間的に他の子にファンサしてる時のことがよぎった
「あ、うん…かっこよかったよ?」
大介「え〜本当にそう思ってる?」
「思ってるよ!」
大介「ならよかった!」
大介「ペンラもうちわも、ありがとう」
「うん」
なんでだろう
彼とうまく会話できていない気がする
康二「にしても滝沢くん、何しに来るんや?」
ラウ「さぁ?」
康二「もしかしてあなたちゃん、専属のスタイリストに任命されちゃうとか!?」
ラウ「えぇ!それならずっと一緒に居られるね!」
「う、うん…そうだね」
何かがずっと引っかかってる
彼と話してから
そんなことを考えていたら
ガチャっ
ドアが開いて入ってきたのは
社長「みんなお疲れ様、君があなたちゃんだね?」
「はい、お世話になっております」
社長「こちらこそ色々と助かってるよ、ありがとう」
社長「でね、話っていうのが…」
「?」
社長「ここだと話しづらいから別室に行こうか」
「あ、はい…」
私は彼に連れられて空いている部屋に入った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!