彼女と別れ、しばらく中を見回って
黒野「…こんなもんですかね」
「ありがとうございました」
黒野「連絡先、教えていただいてもよろしいですか?」
「あっ、はい!」
私たちは連絡先を交換した
黒野「ありがとうございます!」
そしたらすぐに彼女のスマホに着信が
黒野「すみません!…もしもし?…はい、まだ一緒です…はい、わかりました」
スマホを切った彼女
黒野「中野さん、社長にかなり気に入られてますね!」
「はぁ…?」
黒野「早速なんですが、明日、当社が出してる雑誌の撮影に参加してほしいそうです!」
「わかりました」
黒野「では、明日9時にここに来てもらってもいいですか?」
「はい、大丈夫です」
黒野「ありがとうございます!では、また明日!お待ちしております!」
「はい、よろしくお願い致します!」
彼女とも別れ、帰路についた私
「早速かぁ〜楽しみだなぁ〜…みんなに報告しなきゃ!」
とスマホを手に取った私
彼らとのトーク画面を開いて、はっとする
「あっ…連絡とっちゃダメなんだっけ…」
そのままスマホを切った私
そして自然と涙が溢れた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!