「てか 、なんで子ども扱いされるのいやなん ?」
『廉と 、対等でいたい』
「え ?」
『できるなら 、廉と同い年がよかった 。そしたら 、そしたらさ 、こんな風にする必要もないんだよ ?』
「 ………… 」
『だから 、早く大人になりたいの』
「 ……………… べつに 、大人にならんでもええ」
『廉 、?』
「もしあなたが俺と同い年やったら 、俺らは会えてなかったかもしれへんやろ ?」
『そう 、だけどっ』
「今は生徒と先生 、これは変えられへん
だけどあと1年 、あと1年だけ我慢すればええんや」
『 ………… わかった』
「それに」
廉は口角をあげて 、
「あと1年で結婚できるんやで ?笑」
私の耳元でそう囁いた 。
『っ 、///』
ニヤリと笑った廉は 、本当に狡いと思う 。
「ほら 、ついたで」
『わあ !きれ〜〜 !!』
「気に入った ?」
『うん !』
廉が連れてきてくれたのは 、ある公園 。
その公園の周りは灯りがほぼなくて 、星空がよく見える 。
「なああなた」
『なに ?』
「好き」
『もう 、急にどうしたの ?』
「好きやから好きって言っただけやし」
……… 素直じゃないんだから 。
『私も 、好き』
廉の手をそっと握ると 、廉は少し驚いた顔して 。
でも 、また笑った 。
「あなた 、これからもずっと一緒におろうな ?」
『ふふ 、当たり前じゃん』
「今日泊まってく ?」
『泊まる 。お母さん帰って来ないし』
「へえ〜あなたん家も大変やな」
『しょうがないよ 、お父さんが死んじゃったんだもん』
「そりゃ大事な人がいなくなったらそうなるよな」
『ねえ 、廉はいなくならない ?』
「何言ってるん 、いなくなるわけないやろ」
『だ 、よね』
よかった 、と息をつく 。
これ以上大事な人がいなくなったら 、私はもう生きていけないかもしれないから 。
「 ………… 」
すると腕を引っ張られ 、廉の胸の中に収まった 。
『れ 、廉 ?』
「大丈夫やで 、俺は離れへんから」
『 ……… ありがと』
お願いだから 、ずっと隣にいてね 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!