第29話

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2024/03/15 15:54




結局2人きりになった拷問部屋で


することもなく私達は雑談をしていた




太宰治
太宰治
あなたの下の名前の職場はどんな感じなのかい
以前武装探偵社について聞いたからか、今度は私に聞いてきた。



私の職場は至って普通。


理想主義者や異質な女医等いない。




あなた
私の職場は最近、私の彼氏の話で持ち切り
あなた
彼氏じゃないって云ってるのに…
太宰治
太宰治
ふふ、其れは善かった。
私からすれば何も善くない。


太宰さんはそう妖艶に微笑むと、あどけない笑顔で、云った。




太宰治
太宰治
 却説さて、揃々此処も飽きたし帰ろうか。
あなた
え、




そう云うと、パチン!と音がした。

フィンガースナップの音だ。太宰さんお得意の。


腕に合った重みが消えて、カラン、と無機質な手錠が落ちる音がした。


やりやがった此の人。




太宰治
太宰治
ちょっと離れててね~

と云われ、数歩下がると、壁が、爆発した。
あなた
……??
中原中也
中原中也
クソ太宰手前ェ!!


壁の奥から中原の声が聞こえた。


成程、中原を利用したって訳か。

少し不憫に思いつつ、「様を見よざまあみろ」と思う。



太宰治
太宰治
さ、行こう。


手を引かれて、其の儘に歩く。


土埃が凄くて、目を擦ろうとすると



「眼、瞑って歩き給え。」
と云われた。


不安だけど目を瞑っても太宰さんがちゃんと手を引っ張ってくれた。
中原中也
中原中也
あ"ーークソッ!!



太宰治
太宰治
恋仲の男女が苦境に追い込まれ乍も、進む。いやあ、蛞蝓の阿鼻叫喚が佳いバックミュージックだね。



…性格悪。



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