第9話

帰り道。
214
2018/05/16 09:38
{歌恋side}



帰り道。
私は玄関の前で待っていた。
新川 世良
歌恋!わりぃ、遅くなっちまって。
世良は、ニコリと無邪気に笑った。
私の心臓はドキドキと高鳴った。

ーーカッコいい。

思わずそう感じた。
涼野 歌恋
遅いよ!
私は世良の背中をトンっとたたいた。

なんか、世良…顔赤い?
涼野 歌恋
帰ろっ
私は、歩きだした。
世良は私の隣に並んで進む。
世良は、私よりも少しだけ背が高い。だから、横目で見ると少し見上げる形になる。
私は横をチラリと見た。
すると、目があってしまった。世良は恥ずかしそうに、でも不器用に笑ってくれた。

 





私は、この人をどこまで好きになればいいんだろう。










ーーそんな瞑想をしていたとき。
世良が声をあげた。
新川 世良
葉月!!
私はびっくりして前を見た。すると、そこにはすり傷などがところどころについたみおちゃんがすぐ近くの公園にいた。

私達は思わず駆け寄った。
涼野 歌恋
みおちゃん!?
葉月 みお
っ……二人とも…。
新川 世良
もしかして…龍騎たちか!?
りゅうき……?

もしかして、龍騎っていうのは、あの暴力団のーー






久保田 龍騎
おいおいみおちゃぁーん!
もう終わりってことはねーよな?
みおちゃんを追いかけてきた龍騎は、ニヤリと笑った。

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