世良はみおちゃんをかばうように立った。
ーーチクッ
胸の奥が、少しだけ苦しくなった。
ーやだ、なに考えてるんだろう。
こんなことを思う自分が嫌い。
私は心配そうに世良をみた。
世良は悔しそうに睨みつけている。
龍騎がそう言うとともに、仲間がニヤリと笑った。
怖い………!!
すると、龍騎は、私を見た。
ダッ、とこっちに向かってバットを片手に襲ってきた。
どうしよう…………!!!!
私は腰がすくんで動けなくなった。
バットが頭に当たる音。
そして、地面に崩れ落ちたーー………………。
それは、みおちゃんだった。
あのとき、みおちゃんは私をかばってーーーーー。
私は、アタマが真っ白になった。声が遠のいていく。
みおちゃんはそのまま、病院に運ばれた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。