葵先輩と公園につくと、ニコリと笑った。
私はフフッと微笑んだ。
葵先輩は、私をじっと見つめてきた。
どうしたんだろう…。
なんか、むず痒い。
先輩は、一歩私に近づいた。
私の心臓がドキンとなる。
そして、先輩の手が、私の頬に触れた。
も、しかして………っ。
私は少しだけ後ろに退いた。
そして、先輩の顔が近づき、私の唇に…………
触れた。
私は、しばらくぼうっとしていた。
うそ……まさか、葵先輩が私をーー好きなんて。
葵先輩は、そのまま歩いて立ち去っていった。
私は、その場に崩れ落ちた。
私は、無意識に声を出した。
そう、なんで。
なんで私は、キスされたときーーーー
嫌だ、と思ったんだろう。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。