図書館についた。
私はもともと本が好きだったから、歴史の本を片っ端から読んでいった。
葵先輩は、世界の医学について調べていた。
私じゃアタマが噴火する……。
さすがだなぁ。
私は、ある占いの本を手にとった。
そこには、選んだもので運命の人がわかる、という本だった。
気になり、私はページをめくった。
うーん、どうしよう。
私は迷ったあげく、Cにした。
そして、結果のページをひらいた。
そこに書いてあったのは、
「運命の人は、近くにいる同級生か、最近出会った先輩」
だった。
私は、この本が恐ろしく感じた。まさか、ここまでピンポイントで当たるとは………。
私は本をとじた。
運命の人は、葵先輩か、世良。
それとも、別の人?
私は考えるのをやめ、葵先輩のもとへ戻った。
葵先輩は微笑みながら話しかけてきた。
ーーすごく、カッコいい。
私はアハハっと笑った。
葵先輩はそう言って、図書館をでた。
私は……葵先輩が好きなのかなぁ。
ふと、そう思うときがある。でもなぜか私の心は違う、というふうに警告音を鳴らすのだ。
私は気を紛らわすために、大きな伸びをした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。