只今、絶妙な気まずさの空気が流れている。
これは、私から話すべきか…?
正直言うと、世良と新との関係が気になるところだ。
私は、みおちゃんの方を向いた。
みおちゃんはフフッと笑った。
私は軽く深呼吸をした。
みおちゃんは、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに答えた。
私と世良と新は、小学校からの友達だった。
でも、小学校6年生のときに、私が引っ越してしまった。
それ以来、あまり連絡はとっていなかった。だから、中学校もバラバラだ。
世良の中学校時代、気になるな…。
その時、用事を済ませた新がこちらに向かってきた。
新が、スッとこちらを見た。
そして、みおちゃんに聞こえない声で
といい、みおちゃんと立ち去っていった。
……何?嫌な予感しかしない。
私、触れてはいけないものに触れてる?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!