第15話

誘い。
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2018/05/18 14:06
その日の帰り。

世良が、玄関で私を待っていた。

私は相手な気づかれないうちに下駄箱の後ろに隠れたから、ぎりぎりバレなかった。
いつもなら、舞い上がるほど嬉しいのに………。
新川 世良
歌恋、おせぇな………。
私はドキッとした。今にも出ていきたい。
でもやっぱり、しつこいくらいにみおちゃんが頭に浮かんでくる。

私、だめだな…………。
結局、世良は諦めて帰った。
私は涙をぐっとこらえて、家に帰った。





次の日。今日は学校が休みだった。
私はトボトボと近くの公園の周りをフラフラしていた。





宮坂 葵
歌恋ちゃん?
そのとき、後ろから声をかけられた。

この声って………!
涼野 歌恋
葵先輩!!
私は嬉しくなって駆け寄った。

葵先輩は、手に本を持っていた。
涼野 歌恋
どこか行くんですか?
宮坂 葵
これから、近くの図書館に行くんだ。
一緒に行く?
私は、胸がときめいた。

やった……!
涼野 歌恋
はいっ!
私は、隣に並んであるきだした。

先輩からの誘い……。
私はフフッと笑った。
宮坂 葵
どうした?
涼野 歌恋
いや、…なんか楽しくって!
私はニコリと笑った。
先輩は、そっかーと微笑み、私の頭をまたぽんっと叩いた。

ドキ………。

まただ。またドキドキしてる。

私は気にしないようにして、前をむいた。






宮坂 葵
……ホントに、歌恋ちゃんは可愛いな……。
先輩がそうつぶやいたのを、私は聞き取れなかった。

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