第25話

葵先輩の思い。
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2018/05/20 13:32
私は、しばらく部屋の前で止まっていた。

本当の思いに気づいた今。
行動することは決まっているのかも知れない。



葵先輩は、私の思いを知ってて、こんなふうに言ってくれたの?

私は、胸が苦しくなった。こんなに思ってくれてる人がいるのに。

でも、私はーー。


私は、自分の思うままに行動した。






{葵side}


部屋をノックする音。

…歌恋ちゃんかな。
オレは、違うとわかっていながら、期待を捨てきれずにドアを開いた。
従業員
…宮坂様ですか?
先程、女性の方が鍵と手紙をあなたに渡してほしいと頼まれ、やってまいりました。
そういって従業員は、部屋を去っていった。
………やっぱり。

オレは、部屋にある即席のコーヒーをいれ、飲んだ。






ーー歌恋ちゃんがオレを見ていないことは、少し前から気づいていた。

何話しても上の空だったし、そこでオレは、ここまでだと思った。
でも……少しだけ、期待した。

へやに入ってきてくれること。
オレは、完敗だった。




…そういえば。
歌恋ちゃんから手紙をもらったんだ。
オレは、丁寧に開き、文を読んだ。

"先輩へ。
ごめんなさい。やっぱり私は、付き合えません。
わがままな私で迷惑かけました。今まででありがとうございました。"




オレは、そっと手紙をしまった。



………これから向かうところにいる人は、おそらく世良?

できれば、そうであってほしくない。
アイツには勝ちたかったのに……。




宮坂 葵
っ、あれ………。
…まいったな。
気づけば、オレは泣いていた。
そんなに、歌恋ちゃんが好きだったってことか。 

歌恋ちゃんが幸せならそれでいい。



オレは涙を拭い、残りのコーヒーを全て飲み干した。

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