ズシャ
鳥肌が立つような音
ノーマンの体には深々と爪が刺さっている
背中からは爪が飛び出し貫通している
ノーマンを茂みに運ぶ
涙が溢れてノーマンの顔が見えない
それは"初めて"の涙だった
するとノーマンがあなたの唇にそっと口付けをした
あなたは怒りで体が震えていることを感じた
涙を拭き、立ち上がる
ノーマンからも引き離す
…
ノーマンside
お願い…あなただけでも…
僕はポケットから1枚の写真を取り出した
インスタントカメラで撮ったあなたと二人きりの写真
僕の宝物って言ったっけ…
そしたらほっぺ真っ赤に染めてさ…
不器用にも初めて笑ってくれたよね
僕はもう死ぬのか…
気持ち伝えれずに死ぬとか…
涙が頬を伝った
…
ドスッ
自分の体に爪が刺さっている
するとどこからか小さな鬼が出てきた
小さいがただの鬼ではないオーラを感じる
そして小さい鬼は自分の爪を細長く伸ばしあなたの体に突き刺した
な…に…
何かが…入ってくる…
ドクンドクン
頭が痛い…
傷口が燃えるように熱い…
手足が痺れる…
苦しい…
さっきノーマンに誓ったのに…
ズブッ
鈍い音と共に仮面の鬼の爪が体を貫通した
もうろうとする意識の中、仮面の鬼が話しかけてきた
そして爪を引き抜いた
いつの間にか小さい鬼はいなくなっていた
地面に叩きつけられる___
すると馬のような動物に乗った頭巾男がみごとあなたをキャッチした
そして煙玉を落とし
どこかへ消えた
私は痛みでいつの間にか気を失っていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。