俺はあまりの驚きに声が出なかった
俺はずっと思っていた。
──あなたのファーストキスはモトキかよ──
やっべ。声に出てた。
【次の日の朝】
俺は目覚ましがなっても起きなかった
いや、起きる気にならなかった
今は自分自身に納得がいかない
あんときあなたは俺を惑わせるような言葉を言った
俺が勝手にそう思っているだけかもしれないが
「好きって言ったらなんて言いますかね」
なんて俺に聞くなよ。
そりゃあどこの誰だってもしかして自分に・・・?
って勘違いするに決まってる。
だが問題はそこじゃない。
その返事を俺は間違った。
なんて言ったかって?
その言葉を聞くとあなたは驚いた顔をして
「ごめんなさい」
って言って帰った。
俺にはなんの謝りなのかがわからない。
ほんとに最低なやつだ。
あなたに合わせる顔がない。
会いたくない
とふと思う俺がいると思うと情けない
俺は1日だけ学校をサボろうとした。
でもそうはいかなかった
【( ´-ω-)σ ピンポーン♪】
何故か家のチャイム音が鳴った
俺は髪をボサボサのまま、部屋着でドアを開けた
するとそこにはあなたが立っていた
あなたがそんなふうに思ってたなんて俺は知らなかった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。