第4話

言葉を封じる…*R18*善逸(大人)*
1,985
2021/08/24 05:38

―――私は失恋した。



世の中で生きていくのが嫌になり、尼の道へと進んだ





…私がお師匠様と慕う方の尼寺で、多くの事を学び、人間、男女、この世とあの世…あらゆる事を知れた。




失恋の傷もいつしか癒え、忘れかけていたある日



私はお師匠様に留守を頼まれ、尼寺に一人、庭掃除をしていた。



あなた
――もうすぐ秋、か。

高くなった空を仰ぎ、秋の気配のする風に深呼吸する



お師匠様が帰る前に…と、せっせと仕事をこなしていると、黄色い羽織を着た長髪の人が訊ねて来られ…





我妻善逸
――すみません。
あなた
はい…。住職なら只今留守にしておりますが……
我妻善逸
…いえ、こちらにあなたという方はいらっしゃいますか?
あなた
…この尼寺には、住職と私・香妙かみょう(あなたの尼の名)しかおりませんが…。
我妻善逸
……。俺だよ、あなた、分かんない?
あなた
……そ、そのような名は捨てたので…υ
あなた
それに、貴方のような身なりの方に知り合いはおりません。
あなた
お引き取り下さいませ……。
我妻善逸
随分とつれなくなったね。元・鬼殺隊の仲間・・・・・・・・の顔も忘れるなんて。
我妻善逸
何でいきなりいなくなったりしたの?探すのに随分手間どったじゃん。
あなた
…………υ
あなた
ですから、お引き取……
我妻善逸
まだそんなこと言うの?!
あなた
∑……υ!
あなた
(……。そんなの、今更なのよ。時が経ちすぎたわ……)


私は私の勝手な事情で逃げ出した……



全くの私情で―――


あなた
…………っ


私は顔を背け、気持ちを悟られまいとする



我妻善逸
―――ちょっとこっち来て!!


―――グイッ!
あなた
∑なっ…何を………υ


私は腕を捕まれ、本堂の裏へと連れて行かれた




我妻善逸
本当の事を話して…、あなたちゃん…
あなた
……//υ
あなた
(ああ…ずるい…//υ)


そんな顔をされると……青い期待に心が支配されて……




壁ドンされて、嘗て好きだった人の顔がこんなにも近くにあって…―――
あなた
……っもう、嫌だったの!何もかも………
あなた
ひとつ駄目になったら、全てが瓦礫のように崩れていく……
あなた
私は、ここで一から出直すつもりだったのに、何今更ひょっこり現れるのよ……!!
あなた
決心が鈍るじゃないの!!


涙が両目から溢れ、掌で拭うも拭い切れず……



我妻善逸
そんな決心、鈍れよ!
あなた
何でよ、善逸くんに…私の何が分かるのよ!
我妻善逸
何で俺に言わなかった、何で力にならせてくれなかった……
我妻善逸
あなたが居なくなってから、ずっと後悔してた。好きなら何でもっと大切にしなかったんだろう…って
我妻善逸
本当、今更だよな……
あなた
………うん。
あなた
(遅すぎるのよ…)
我妻善逸
今更ついでに…戻って来いよ。
あなた
…脱退したから、鬼殺隊には戻れない。
我妻善逸
鬼殺隊じゃなくて、俺の嫁としてあなたを迎えたい。
あなた
え…﹆結婚…してないの?
あなた
てっきり禰豆子ちゃんと結ばれたものだと…υ
我妻善逸
んな訳ないだろ。俺は好きな人以外とは結婚しない。禰豆子ちゃんは妹みたいなもの。
我妻善逸
……で、そんな俺をいつまで待たせるの?
あなた
………お師匠様に、相談しないと//υ
我妻善逸
"お師匠"って誰?
あなた
この寺の住職…//
あなた
(顔が、近い…っ//υ)

壁ドンされてたことをいいことに、善逸くんとの距離はあっという間に縮まって…
我妻善逸
まさか男…じゃないよね?
あなた
∑そんな訳ないでしょ…!ここ尼寺よ…//υ
あなた
(耳元で喋らないで…っ///)
我妻善逸
まあ、身体に聞けば分かるか。
あなた
かっ…身体って……///υ
我妻善逸
…ん?シたのか、シてないのか…ね。
あなた
する訳ないでしょ……///υ


着物の隙間から善逸くんの手が入り、私の敏感なそこを責められて



あなた
(ああ、こんな所で何て罰当たりな……)



私はやっぱり、自分の気持ちに嘘はつけない……


どんなに嫌われても、死んでも、この人が好き……―――






あなた
はぁ……はぁ……///
我妻善逸
――こうやって、夜な夜な一人で慰めてたの?
我妻善逸
凄く、物欲しそうになってる…///
あなた
――そうよっ…諦めようとしても、他の人を見ようとしても…いつも私の心には善逸くんが居て、離してくれないの…//
我妻善逸
……ヤバい、それ…かなり嬉しいんだけど///
あなた
……ねぇ、来て…?今迄の事をかき消すくらいに……///
我妻善逸
いいよ。五年越しのこの気持ち、受け取ってくれる?//
あなた
そんなの、私の方がもっとよ…///
我妻善逸
ふっ、負けず嫌いな所は変わってないね…あなた///


―――ズッ……


あなた
――……っあああっ…///
我妻善逸
は……あっ…あなたっ…///


痛みに想いが勝り、快感に変わる……


嫌だった事が、全て白紙にされる



この世界には、私とあなたしか居ないような………


あなた
―〜〜っ、んんっ…///

口を手で抑え、声が漏れないようにする



それが善逸くんには良かったみたいで……



あなた
…んんっ、んっん…///
あなた
(激しい…///腰が砕けそう…)
我妻善逸
……っはぁ、あなたっ、あなた…///
あなた
…んっ…//(イきそう…)
我妻善逸
いいよ、イっても…///俺ももう…っ//
あなた
――んんんっ…!//(ビクンッ、ビクッ)
我妻善逸
――っアァッ……!





――私達は、暫く繋がったままで…



我妻善逸
…俺の嫁に、なってくれる?
あなた
なるっ……善逸くんのお嫁さんに…///
我妻善逸
良かった…ありがとう、あなた///









――――――そして、事の経緯をお師匠様に伝え、尼見習いの私は、善逸くんと共にお師匠様の元を去った






「好きなら、もう二度と、互いの手を離してはいけませんよ?その覚悟はありますね?」




あなた
(はい、お師匠様…。)
我妻善逸
―――あ、ちなみに今、俺鳴柱だから。
あなた
∑っえ……!//υ本当に?
あなた
あの、あの善逸くんが…?υ
我妻善逸
何かムカつくな…υ
あなた
いや、ごめ…υ
あなた
そっか〜。あの善逸くんがついに柱かぁ〜(嬉し泣き)
我妻善逸
…それもムカつく。
あなた
あはは、ごめんなさいυ…善逸くんの強さは、私が一番よく知ってるから。
あなた
私が一番ずーっと見てたから。
あなた
(あの、町娘に求婚してた頃から…)
あなた
(それはそれで、今思い出しても腹立つ)
我妻善逸
何そんな昔の事をほじくり返してんの?υ
あなた
あっ!人の気持ち、音で読んだなーっ!///
我妻善逸
俺は、あなたの事なら何でも知ってるの♡
あなた
〜…っ///
我妻善逸
帰ったら、直ぐに祝言挙げる手配するね♡
あなた
う、うん……///


―――ずっと、離さないでね……♡



end.

 
――――――――――――――――――――――
読んで頂き、ありがとうございました。

我妻貴子名で書いている小説に「尼さんになろうかな」との言葉があったのと、普段から「鬼滅の世界に居たなら、自分は間違いなく失恋して尼になっただろうな…」とよく思ってるので、それをストーリー化してみました。


尼の格好で、成長した善逸くんと寺裏で……何と罰当たりな破廉恥なもうそうでしょう(笑)



これに懲りずに、次回もお楽しみに〜꜆꜄꜆꜄꜆

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