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第7話

すれ違い
15
2019/12/20 18:31
あれから数日たった昼休み。

いつもと変わらず、2人で昼食をとる。
モブA
モブA
ヒソヒソ…
モブB
モブB
ヒソヒソ…
少しして、クラスの女子が何か私たちのことで話していることに気がついた。
私
なぁ、なんかめっちゃ見られてないか?
私
それになんか話してるし…
友人
友人
あー…それね
友人
友人
いわゆる腐女子ってやつで、なんか俺たちのことで妄想してるみたい。
私
なっ…!
ナマモノは禁忌だって言ってるだろうが!

いや…そういう話ではなくて、まさか噂されるようになっていたとは…
友人
友人
ひどいよねー。一緒にご飯食べてるだけなのに変な妄想されてさ。
私
あぁ…あんまり良い気はしないな
私
他人から見たらそんな風に見えてるのか…?
友人
友人
えっ…つまり恋人同士に見えるってこと…?
私
まぁそうなるな
友人
友人
カァ///(そう考えたら○○君には悪いけど…ちょっと嬉しいかも)
私
??どうかした?
友人
友人
えっなんでもないよ…はははっ。
なんだろう。やっぱり何か違和感を感じる。
私
あのさ…もし仮にだけどさ、本当に恋人同士になったらどう思う?
友人
友人
へぇっ!?
友人
友人
いや、どうもこうも…そんなの有り得ないし
有り得ない。その言葉で私は胸が締め付けられるような感じがした。分かってはいたものの、当人の口から出た言葉を聞くとかなりダメージを受けた。

本当になんて質問をしてしまったのだろう。なんの得にもならなかったじゃないか。
私
あっ…ごめん急にこんなこと聞いて
私
それじゃ…
なんというか、一刻も早くこの場から逃げたかった。
食べかけの弁当箱を片付けながら、足早に教室から出ようとした。
友人
友人
ちょっ…待って!
引き止められてしまった。本来ならば友人に手を掴まれているこの状況、たいへん嬉しいはずなのだが、今だけは苦痛だった。
私は思わずその手を振り払って、教室を出た。
私
っごめん…
友人
友人
この時友人はどんな目で私を見ていただろうか。
考えるだけ虚しかった。

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