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第9話

私は夢をみた。

微笑みあう男女の夢。

私と目鼻立ちがそっくりな女性と、サラサラとして私と同じ色の髪の男性。


両親だ。


会ったことなんてないのに、覚えてなんていないのに、それが両親であるとわかった。



お父さんも,お母さんも 綺麗だなぁ

オ父さんモ,お母サンも キレイだネェ。


私の声とあの声が重なった。
こんな夢にまで出てくるのかと思った。
そして声のした方を向こうとすると、


だァーメ しっかり見テテ?


後ろから抱きつかれている感覚がした。振り払おうとしたけれど、身動きが出来ないほどにしっかりと抱きつかれていた。

やがて、父と母の影は月明かりに照らされながら重なり合い、父は母の首筋へと牙を突き立てた。

私はショックだった。両親はヴァンパイアだと思っていたから。でも同種の血を吸血するわけが無い。それこそ、吐き気がする程に不味いから。
私の母は人間だった。


お母サんは人間だヨ。知らなカッタでショ?


知らなかった。それよりなんでこいつが知っているのかと疑問にも思った。

やがて時は進み、母は私を産み落とし、息を引き取った。

人間がヴァンパイアを産んだ負担が大きかったのかなんなのかはわからない。もしくは私の魔力が母を死に追いやったのかもしれない。


父は、産まれたばかりの私を抱いて、ただ静かに泣いていた。