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第40話

利用と自由

「僕らの世界は狂って壊れてるんだ。
もちろん、中途半端な僕ら自身もね?」

シルヴァンは噛みちぎった爪のように細く弱々しい月を見上げながら嘲笑わらった

「中途半端…?」

「だってそうだろ?
吸血を拒む姿は吸血鬼と呼ぶには程遠い。
けれど人と呼ぶにはあまりにいびつだ。」

「それは…」

「反論でもあるの?反論なんてできるのかよ?
これが現実だよ!」

彼は様々な感情が絡み合ったのどが張り裂けそうになるほどの声をあげた。

「……っ…なら!
私達の…シルヴァンの居場所はどこなの」

胸が締め付けられるようで、息がしづらくなりながらも声を絞り出す

シルヴァンは大きく息を吸ってから
ため息のように吐き出すと、一息ついてから口を開いた

「ごめん、ちょっと熱くなりすぎた。
…僕の居場所はここだよ、自分で作り出した。
どちらからも受け入れられないなら
利用してやるんだ。
きっと自分と違うものは恐れるかさげすむかの2択だから、どちらかしかないなら恐れられた方が僕は自由でいられる」
少し伏せられたシルヴァンの瞳は
彼の過去が明るくはなかったことを表すかのようで

セシアはただ見つめる事しか出来なかった。