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第32話

彼処と此方

シルヴァンから与えられた部屋には
既にベッドにソファーにテーブル、チェストやクローゼットといった一通りの家具は揃っていた。

全て木製のそれらは、カントリー調でまとめられ、温かみのある雰囲気を充満させていた。

「すごい…本当にいいのかな?」

あまりにもしっかりと用意されたそれらに
少し疑問を持ちつつも、ソファーに腰掛けた。



それからしばらくして、ドアが軽快な音を立てた。

「セシア?これから人が来るんだけど…
リビングに通しちゃってもいいかな?」


ドアの向こうから聞こえた言葉に
そのまま答える


「いいも何も…ここはシルヴァンの家よ?
私はここに居させてもらってる立場だもの、
気なんて使っちゃだめだよ。」


「そっか、ありがと。」


「こちらこそ、素敵な部屋をありがとう。
ここ…本当に使っちゃっていいの?」


「あ〜、いーのいーの。
好きに使って! じゃあ…そろそろだから」


そう言うとドアの向こうの足音は
離れていった。