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第12話

本能 。
目を覚ますと、そこは屋上ではなかった。


無機質な天井。


無機質な壁。


鈍く冷たい鉄の感触。


病院だった…が,私の手足には枷がはめられていた。


「…目が覚めたのね」


聞き覚えのある声がした。

声の方向を見るとそこには院長先生がいた。

…少し脅えた表情で。


「アノ,あなた…3日感も眠っていたのよ…
それも…すごくうなされて…。」


私はその言葉に無言で頷いた。



「ねぇ…アノ。嘘よね…あんなの,あなたがやったんじゃ…」


「院長先生…。」


先生の言葉を遮るように言い放つ。


「今まで…お世話になりました。」


もう。あの孤児院に帰ることはできない。


「っ…そんな…何を言っているの アノ 」


驚きと悲しみの表情を浮かべる先生。

でも、今の私はその表情に申し訳なさを感じる事は出来なかった。



そんな先生を背に、私は手足の枷を外し、先生の元を旅立った。










……ろ…たい。


こ……たい…。


殺したい…。



そう、先生は吸血鬼だから…。




私にとっての先生はもう恩師ではなく


ただの獲物だった…。





そう、これが私の … 本能 。