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第8話

エピローグ
 『Starry Night』なんて名前のバンドは存在しない。
 聾少女のベースも、無声青年のボーカルも、盲目少女のドラムも、腕無し少年のギターも、難病患いのキーボードも、全部、それはただの夢であり嘘だった。

 俺という存在も、それと同じように無かったことになればいいのに。
 そんなことを思いつつも、意味の無い死はもうすぐそこに迫っていた。
 別に心残りはなかった。
 あんなに大切な仲間に出会えたし、大切なひと時を過ごせたし、死に際は痛くも苦しくもないらしいし。

 今頃あいつら、何してるかな。
 アスはランニングでもしてるかな。youraiは遅めの朝飯食ってるだろうな。雨音はまだ寝てるだろう。ミズキは…あいつは何してるかわかんねぇや。大抵いつも不確定の場所にいるから。


 そうだな、ただ1つ後悔があるとするなら。

 俺ももう少し、あいつらの輪の中に居たかった。

「…ありがとう…」

 掠れた声でそう呟いたのは、誰かの耳に届いただろうか。
 俺があの中にいなくても、その後もずっと、仲良しのままだといいな。

 俺は死ぬ間際、あの写真をずっと手に持っていた。