無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

前の話
一覧へ
次の話

第1話

プロローグ
 男女5人で音楽グループ、『Starry Night』をやっている。
 俺はそのグループに所属しているわけだが、今は諸事情で参加できていない。
 ネットを主として活動している所謂歌い手のバンドグループだから、視聴者にはメンバーの方から仕事の関係で外国へ行っていると説明してもらっている。

 メンバーにも、俺はそういうことだと信じてもらっている。



 俺たち5人は、共通の趣味を持ち、共通の意思をもっていた。

「子供の頃、将来の夢とかあった?」

 と、この部屋にいる5人に問いを投げかけたのはアスだった。
 金髪のポニーテールがよく似合う明るい性格の女性だ。
 そして、それに反応したのはyourai(これは“ゆらい”と読む)。

「なんだその言い方
 なんか子供みたいだな」

 赤メッシュが入った天パの茶髪で、少々口が悪いようなところもあるが、仲間想いな男性。

「えぇ、別にいいじゃん、子供時代の話だし
 …なんて言う?」

 アスがふてくされたような顔で言う。
 アスの言葉に対して告げ口をしたyouraiも、それにはすぐ答えることはできず、唸っている。

「今後やりたいこと、とか」

 そう答えたのはソファーでスマホを見ていたミズキだった。
 黒いストレートのショートヘアで…性別は本人があまり気に入っていないらしいので中性、と言っておく。これでも意外と博識だ。

「あぁ!なるほど
 じゃあ、皆やりたいこととか決まってた?」

 アスがそう言い直すと、すかさずyouraiが答えた。

「まあ俺は音楽だな、もちろん!」

 はっきりと言い張るその声は、真っ直ぐ志を見据えていた。
 と、その声に共鳴するかのようにもうひとり同じ部屋にいた人物が声を出す。

「学生の頃ですか?そうだなぁ…僕も音楽で食っていきたいってずっと思ってました
 この手で奏でたドラムの音で稼いでいけたらいいなぁって」

 それはこの5人の中で最年少である、雨音(うと)だった。
 毛先に紫色のメッシュを入れた黒髪の、少し小柄な男性。大人しそうだが実はそうでもないことで知られている。

「音さんもそうですよね!」

 “音さん”とは俺のことだ。
 “音”と書いて“りつか”と読ませる。縦読みで立(りつ)日(か)だ。
 じゃあ“おと”でいいじゃねぇかとは、youraiに何度もいわれた。が、今更改名もできっこない。

「…うん、俺もずっとそうだったな
 ピアノ習い始めた頃から、バンドが夢だったし。」

 俺は小学生になる少し前に、ピアノを始めた。それ以来ピアノが好きになって、これを将来活かしたい、なんて思い始めたのは小学校低学年の頃だった。
 今はこのバンドでキーボードとして活躍し、その夢を叶えることができた。

 ボーカルのyourai、ベースのアス、ギターの雨音、ドラムのミズキ、そしてキーボードの俺、音。
 仲も良く、共通の趣味と志を持っていた俺達5人は、気付けばよく一緒にいるようになっていて、それからグループに発展した。
 この5人でネットを中心に活躍する所謂歌い手バンドである俺達の人気は、時折テレビに呼ばれるほどにまで伸びた。
 俺達にとって、これ以上のことはなかった。


 ─そう、これ以上のことはなかった。
 これが叶えば、それで良かった。