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2021/03/27

第17話

詐欺師は頭を垂れたまま
あなたはなんの権利があって私の行動に干渉するんですか?
あなたはなんの自信があって私に同情するんですか?


立て続けの質問に、目の前の輩は見たことのない微笑を浮かべる。いつもとはまた違う、無防備なうつけ面を晒して。また私を惨めったらしい気持ちにさせる気か。

汚いあたしの心は、何を言われても強風に吹かれた単色の風車のよう。ぐりゅんぐりゅん回って羽の一つ一つは〇のように混ざり合って、元の位置なんかコンマで忘れていくの。

あなたが何を言ったところで結局はあたしが全て悪いの。理解したからこそ意固地になるこのクソ神経をどうぞ嘲ってくださいまし。

瓶底眼鏡でフィルターをかけた外の世界からあなたは、こちらを覗き込む。何がしたい。知りたくもないわんな事。


なにが溜まっとるん?


心底気色の悪い言い方をなされるんですね。セイ処理が大好きな雌なんですかあなたは。決してそうではないでしょう。


顔、とりあえず上げてくれん?
ガチ恋距離まで近づくで。

あは。ええ歳したオッサンがオッサン相手に何言いよるんすか。


あたしが脳から命じて発信した笑みを自分のものと勘違いして満足そうにため息をつくあなたはやはりうつけよ。

そんなこと思う権利もないくせにあたしは。こんな御託並べて何を生み出せる。せいぜい二酸化炭素。周りに植物はない。よって今のあたしは有害だ。

目の前のあなたには、中身と同じくまとまりのない捻くれた頭髪を。その真ん中にポツリと存在する弱いつむじを。再びご覧に入れています。

心細そうにあたしの名前を呟いても、あたしにはなにもできませんよ。あたしだって心細いくてたまらねぇんだから。

他人の心が読める世界線じゃなくて良かった。今あたしはすごく気色の悪いことをうだうだと考えている。


あは。いつもの事やったわ。笑ってんじゃねぇよ気色悪ぃな。結局自惚れとるくせによ。

なぁ、何ブツブツ言っとるん?俯いとるから声こもって聴こえづらいんよ。


あ?あたし、伝えようと想ったことはてめぇに目ぇ向けてから口開くだろうが。真面目に聴いてくれる気でいたん?感動でなみだがほろりほろりしそうですわ。





ゴメンなさい。今、あなた向けに発せる言葉が見つからないのです。


頭を垂れたまま、ご丁寧に慎重にそれだけの短い台詞を、すでに一度搾ったれもんの残り汁みたいな愛想笑いをあなたに。






いまは、これしかあげられない。