学校の帰り道、珍しく早帰りだったので桜が綺麗な咲の昔馴染みの公園へと寄った。
咲は、早咲きの桜を見て目を細めた。
幹に優しく触れ撫でていると
低く落ち着くトーンで咲の名前を呼んだ一郎
咲が振り向くと驚いた様子でこちらを見ていた
そうやって呆れたようにため息をつく一郎の目は優しげだった。
首を傾げながらこちらに来る一郎に咲は笑いが出てきた。
くすくすと笑いながら、だけど遠慮気味に
顔をうつ向かせて言う咲に一郎は慌てながら伝える
一郎の笑顔で伝えるその言葉は暖かく、優しかった。
咲はそんな彼をまぶしそうに見て
二人の間は暖かい空間に包まれていた。
思いだしながら笑う咲に一郎はムッとしながら
彼女の頬に手を伸ばす。
その言葉に顔を赤らめさせる咲に一郎は手をはなした
一郎が触れていた頬に手を伸ばし赤みを消そうとする
咲はその言葉に悲しげに笑い
近くのベンチに座った。一郎もその隣に座る
咲は空を見た。澄みきった美しい青空だった。それを見て自虐的な笑みを浮かべた。
一郎は目を見開いたが
一郎は分かってしまった。咲に家族がいないことも、大切だと思うひとがいないと。
……………ずっと孤独だったことを。
そこでようやく一郎に顔を向けた
だがその顔は悲しげな苦しげな困惑したような複雑な顔をしていた。
咲が気づいたときには暖かい温もりが体を覆っていた。
しばらくの間困惑してたが、状況を把握したのか顔を真っ赤にさせた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。