それから卒業までの1年はあっという間だった。
修学旅行や発表会、運動会や合唱コンクール。
どれも楽しい、忘れられない思い出になった。
そんな日常の中で。
ホシ君に「すき」の二文字は伝えなかった。
この関係が壊れるのが怖いから。
いつか離れ離れになってしまうくらいなら、
ずっと友達でいたい。
こんな臆病な私を許してください、神様。
そういって目を細めて笑う君。
あぁ、もう。、
それずるいんだって。
心臓がうるさい。
君に聞こえてませんように…
いや。心臓の音くらい、聞こえててもいいかな。
やっぱり好きだなぁ、
*卒業式の日。*
その日、ホシ君はいなかった。
そして、その日から。
ホシ君に会うことはなかった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。