第14話

風雅さん
なあ、なんで?、








俺はずっと好きやで?








お前は好きじゃなくても、








ずっと忘れられんよ。








どんなに冷たくされても








はっきり好きじゃないって言われても








俺は大好きやで。








あなたは嫌がるのを分かってる。






やから、抱きしめたくても我慢してるし、






もっと甘えたいけど我慢やってしてる。





今すぐにでも、抱き寄せて好きって





ちゃんと伝えたいよ。






こうして自分の中で勝手に終わりにしていた。






気づくと秋になり隣にあなたはいなくなっていた






とうとう、一人ぼっちになってしまった。





少しの沈黙さえ俺は嫌で仕方がなかった。






会話を繋ぎ止めるのは








俺の仕事みたいなもんやったし。






必死やった。






一人ぼっちの秋が過ぎてゆく。





外を見ると去年はあなたと一緒に






飛び込んだ白い雪が積もっていた






今年は1人か。





何ヶ月経っても辛くて癒えることはない。






あなたじゃなきゃ無理や。ほんまに。






恋人以下の関係は俺には耐えられん。










もしかしたらもうあなたは他の奴と







雪に飛び込んでるかもしれへんし








もう隣が埋まってるかもしれへんけど、








今すぐ会いたい。その一心で








トレーナー1枚で家を飛び出した。








雪が降っているのにトレーナー1枚の俺は








かなり浮いていたと思う。








でもあなたのことしか考えられんかった。








会えないのだってわかっとる。








でも、でも、、っ、








雪が降るなか、泣きながら全力で走った。







…ーぅっ、





聞き慣れた声。








癖のある呼びかた。








勢いよく振り返る。











白い息をはきながら、はぁ、はぁ、と







あなたも泣いていた。








風雅
ばかか、っ、!




飛びつくように抱きつく。







久々に人の温もりを感じた。








あなた以外の体温は感じたくないと思った。








You
、ごめんな
You
あなたが、あなたが、っ…
風雅
…帰ろう。
You
え、?
風雅
待ってるで。ベランダにいっぱい
積もった雪が。
風雅
今年も飛び込もーや。
You
風雅からもう離れへん。
You
ほんま、ごめ、んなあ、っ、




ぎゅっと強く抱き寄せる。







髪の毛をくしゃっと握る。








あぁ。俺の大好きな人だ。







大好きなシャンプーの匂い。








大好きな首の後ろのホクロ。








戻ってきてくれてありがとう。








その日家に帰ってから








あなたに甘く優しい口づけをした。











まあ、5年も前の話やけどな。