第12話

手を開けば触れられたのだろう
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2019/05/04 12:14
リウ
マノさんですか?
マノ
ああ、そうだよ。
ミキ
あの、マノさんって、アネマー王のお知り合いなんですよね。
マノ
アネマーか。
昔、よく一緒に飲んでたっけなぁ。
アネマー王って酒好きだったのか?
リウ
クデーターを起こし、アネマー王に玉座へ戻ってもらいたいのですが、ご協力願えませんか。
マノ
あいつ、生きてたのか!
リウ
はい、牢へ閉じ込められていますが。
ミキ
占ったのですか?
リウ
ええ。
マノ
君らは、魔法使いかい?
リウ
はい、そうです。
マノ
そういやあ、アネマーも使えたっけなあ…魔法。
ミキ
えっ?アネマー王は魔法が使えたのですか?!
マノ
ああ、かなり強力な魔法も使えたらしい。
それなのに、あの王は魔法を使わず、国を治めていたというのか。
マノ
アネマーはな、きっと、魔法によってチート使いになりたくなかったのだろう。
魔法の力を借りず、自分の実力だけで…。

そういったアネマーの少し頑固な性格が好きだったよ。
マノ
よしっ、俺も強力してやろうじゃあないか。

なにせ、昔の友が生きているってんならやるっきゃないだろう。
リウ
ありがとうございます。マノさん。
ミキ
ありがとうございます!
この人のおおらかな性格好きだなぁ。

なんだか和むような。
リウ
ミキ、もう一ヶ所、いい?
ミキ
うん。
ミキ
どこ行くの?
リウ
ナイトウールよ。
ミキ
そ、そんな遠いとこまで行ける?
リウ
今日中に、事は済ませなければならない。
師匠からは、強い覚悟が見られたのだった。

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