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第17話

いつかまた…
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2019/05/06 02:32
ロウ
ミキ様ー!できました!
リョク
俺も俺も!
ミキ
おおっ!いい感じだな。
次は…そうだ!
少しふざけた呪文を教えてやろう。
リョク
ふざけた呪文?
ロウ
そんなの使えるんですか?
ミキ
まあまあ黙っとけ!
ミキ
まず、指で、円を書く。
大きな円。
俺が入るくらいだ。
そのなかに、MPと指で書く。
上から消すようにして自分の心臓に当てる。
その間いい続けるんだ。
ミキャノーヤ、ミキャノーヤって。
そうだ。これは、かなりふざけた魔術である。誰が開発したのかも知れない。
二人が円を書こうとするから、俺は、大慌てで止めた。
ミキ
おいおい!
いまやるなって!
ロウ
なんで?
リョク
練習しなきゃできない!
ミキ
そうだけどなぁ。
ミキ
まあ、ピンチに使える魔法だ。
ミキ
それ使ったら俺死ぬから。
使うなよ。
リョク
なにそれ、ホントにふざけてんじゃん!
ミキ
まあな、昔これによって、苦しんだ人間がいたんだよ。
ロウ
ふうん。
リョク
わかんないや。
俺の弟子たちは首を傾けて考え込む。

いつかの俺のように。

🌼

俺はある日、写真を見つけた。

俺とある魔女の写真。

妖艶に魔女は微笑んでいる。

そうだ。

俺は、物語を記そう。

この魔女と俺と魔女の想い人、それに、この国の物語。
ミキ
リウどう思う?
リウ
えっ?私のことを書くの?
俺の中ではリウは謙虚だ。

さぁ、なにがあったのだろう。

この魔女のことはいつまでも解り得ないと思う。

🌼

『この物語はまたまだ続く。きっと、永遠に。』

そう最後に記し、本を閉じた。


ミキ
さてと、また新しい魔法でも練習しますかっと。
そう、またまだ結末にはほど遠いのだ。

俺は、人を蘇らす呪文を作る。

何代に渡ってもこの魔法を完成させる。

きっと、いつか会えますように。

そう願って、俺は、唱える。

何度でも。

未知の希望を信じて。

*END*

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