そうだ。これは、かなりふざけた魔術である。誰が開発したのかも知れない。
二人が円を書こうとするから、俺は、大慌てで止めた。
俺の弟子たちは首を傾けて考え込む。
いつかの俺のように。
🌼
俺はある日、写真を見つけた。
俺とある魔女の写真。
妖艶に魔女は微笑んでいる。
そうだ。
俺は、物語を記そう。
この魔女と俺と魔女の想い人、それに、この国の物語。
俺の中ではリウは謙虚だ。
さぁ、なにがあったのだろう。
この魔女のことはいつまでも解り得ないと思う。
🌼
『この物語はまたまだ続く。きっと、永遠に。』
そう最後に記し、本を閉じた。
そう、またまだ結末にはほど遠いのだ。
俺は、人を蘇らす呪文を作る。
何代に渡ってもこの魔法を完成させる。
きっと、いつか会えますように。
そう願って、俺は、唱える。
何度でも。
未知の希望を信じて。
*END*
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。