(hokuto side)
大「北斗、北斗。そろそろ目覚めて、ねぇ、俺の夢ね………」
チュンチュン。
久しぶりに開ける目の間隔。少しぎこちなくて、暗い世界にいた俺にとって朝一番の陽の光は、こんなに明るかったのかと思うほど、輝いていた。
ふと、カレンダーを見る。
6月。
嘘だろ?
最後見たのは3月。
ということは俺は3ヶ月間もICUで眠り続けていたことになる。
たくさん寝たのか、今までにない以上に体の調子がいい。
眠り続けたということで、一応、様々な検査を受けさせられたが異常なし。俺の心臓の調子ももとに戻った。そう言っていた。
3ヶ月間もあの広い部屋で一人取り残してしまっていた大我にあいたい。今度こそ、お前の将来の夢を聞くんだ。そんな気持ちで、元いた俺の病室へと走る。
肩で息を切らし、思い切り、元気よく、ドアを開ける。
北「大我!!久しぶり、げんきに、……、あれ?」
何も返答がないことを不思議に思い、そっと中に進んでいくと、
大我がいたであろう場所は、シーツも布団も全て新しいものに変わっていて、まるで、その状態が何ヶ月も続いてたと言わんばかり、俺に訴えかけてくる。
二人でよく行った場所のどこを探しても、大我は見つからない。途方に暮れ、もとの病室に戻ってきたとき、先生から声をかけられ、一通の手紙を渡された。
そこに書かれていたものは、大我の将来の夢とともに衝撃的な内容であった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さぁ、次回最終話です!
大我が抱いていた将来の夢とは一体どんなことだったのか。北斗の言う衝撃的な内容とはなんなのか。全てが明らかになります。
ぜひ、最後まで悲しい内容ですが、お楽しみください!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!