第11話

小瀧side
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2018/04/09 16:42
1人で泣いてたら、誰かに背中をさすられた。

びっくりして顔を上げると、濱ちゃんがいた。



濱田
初めてで分からんこといっぱいあるよな



優しく言われて頷くと、「せやな」ってうんうん頷いてくれた。

濱田
俺も初めてドラマの仕事した時はめっちゃ怒られたし、モニターチェックで自分の演技見るん嫌でしょうがなかったわ
小瀧
濱ちゃんが?
そう口にしてた。

やって、濱ちゃんはすっごく演技が上手やから。
濱田
誰にだって、初めてがあるねん。そっから上手くなるか、諦めてまうかは結局自分の努力次第や。
もともと上手い人やっておるけど、努力すれば、そんな人やって追い抜けるくらい上手になれるで
真っ直ぐに目を見てそう言われた言葉が、ストンッと落ちるように響いた。

濱田
望は、努力できる子や。一生懸命やれる子や。
望?お前はひとりとちゃう。

やってたらな、きっと分かってくるで。

みんなで演技できるんが、ほんまに楽しいって。
目を細くして笑った濱ちゃんに、涙があふれたけど、ぎゅっとぬぐってうんっと頷いた。



濱田
頑張ろうな


レッスン室に戻ろうとしたら、濱ちゃんがそう言って肩を叩いてくれた。


もちろん、その後だって叱られたし、辛かったけど、

一緒に頑張る大切な仲間は、僕に力をくれた。


絶対に諦めない。


僕やって、濱ちゃんみたいに演技が上手くなれるように。

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