第17話

15話
38
2022/09/24 15:26
万(ばん)
雅楽様は、ご苦労されて居るのです。
この国では、
黒い髪に、黒か茶色い瞳

月様と一緒で、髪色のせいで差別を受ける様な
事もありました。
月(つき)
そうですか。
私は、両親にも嫌われて居ました。
2人は、この国の髪、瞳の色。

私が生まれた時、父は、母が他の国の男性と
関係を持ったのだと母を疑いました。

父は、母から離れていき女の人を次々作りました。

何時しかそれは、私のせいだと攻め。
暴力を……

ある日。
知り合いの男の方に、売ってきてくれと頼んだそうです。

ここの前に来て、ココで生きて行こうと決めました。

この色に生まれた、自分が嫌でしたが。
ココでは、そのおかげで生きて居ます。
その夜

部屋で寝ていた雅楽。
目を覚まし、着物をはおり。

窓から外を見ていた。
フッと下を見ると人影。
この部屋に入れるのは、雅楽と、月しか居ない。

下に降り、庭に出て
月にゆっくり歩み寄る。
雅楽(がらく)
何してる?
月(つき)
桜を見に。
だめですか?
月は、真っ直ぐ桜を見ていた。
雅楽(がらく)
こっちを見ろ。
月(つき)
嫌です。
雅楽は、月の腕を掴み自分の方に体を向ける。

下を向いている、月。
雅楽(がらく)
なぜ
オレを見ない。
月(つき)
……っら
雅楽(がらく)
なに
月(つき)
私が……本当に…
雅楽様を…愛してしまったから……
雅楽(がらく)
………
月(つき)
迷惑でしょ……
雅楽(がらく)
オレを見ろ
月(つき)
嫌です
雅楽は、月の顎を持ち顔を上げる。

泣いている、月。
雅楽(がらく)
………お前は、オレだけ見ていればイイ。
月の涙を拭く雅楽。
雅楽(がらく)
それじゃ、だめか。
月を優しく抱き寄せる。

体を離した時、顔を上げた月は何時も月。

雅楽に抱きつき。
月(つき)
雅楽様ココで……
雅楽(がらく)
あぁ
お前が、望むなら。
ゆっくり、桜の花びらの上に
優しく体を倒す。

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