第16話

14話
39
2022/09/20 14:41
次の日。

今日は、店は休み。

今日は、百花屋で働く物達の着物を新調する日

布は、人気によって値段が違ってくる。
人気があれば、布も高く良いものになる。
耳飾りなどの、宝石も格が違って来る。

皆が、ワイワイとどの布にするか選んで居ると。

針子の三つ子の3人娘が、雅楽の所に来る。

雅楽は、鬱陶しい女共が来たと心底思った。
雅楽(がらく)
何だ
3人娘
この布、月につかいたいんですー
雅楽(がらく)
だめだ。
しつこいぞ諦めろ。
それは、今ある布の中で1番高い物。
顔を膨らます3人娘。
3人娘
何でですの?
なぜ、雅楽様は月をトップにしないので?
渚(なぎさ、百花屋トップ 女)
何かより、

指名数も、稼ぎも渚何かより1番なのに!
雅楽(がらく)
うるさいぞ
3人娘
あんな、女にもったいないわよね〜
顔を見合わせる3人娘
雅楽(がらく)
黙って下がれ
3人娘
なんですの。
雅楽様だって、月がお気に入りのクセに。

好きなんでしょー フフフっ
雅楽は3人をにらむ。
3人娘は、逃げる様に出て行った。

雅楽は、ワインの入ったグラスをとり。
雅楽(がらく)
オレが……月を好きか……
ワインを一気に飲み干す。


ひととうり、布なども決まり、
店の中を歩いて居る月。

フッと、窓から外を見る月。
月(つき)
((何故か。
この窓から見る景色が好きだ、少しだけ
雅楽様の庭に、似ているから。

春はもっと好きだ。
あの、枯れぬ桜の世界に似ている。

だけど、どんどん虚しさが増えて行く。))
万(ばん)
どうされましたか?
月(つき)
何がですか、
万(ばん)
雅楽様のお部屋に行った次の日は、
昔は、外を見ているだけの表情だったのに。

それが、嬉しそうな顔から、寂しそうな顔、
泣いてしまわれそうな顔に
なられておいきになって来ましたから。
月(つき)
そんな顔、してますか?
万(ばん)
ええ。
今は、おつらそうな顔をなされて居ますよ。
どうしてかは、おわかりになって居るのでしょ?
月(つき)
雅楽様に、迷惑なだけですよ。
ただの人形が、心など持っては行けないんです。
人形は。
飽きられないように、黙っていればいいんですよ。

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