ウッ…ウッ、ウッッ…ウッ…
声を押し殺しながら泣く誰か
それは、誰か私は知ってるんだ
だって鏡の前に映る人だから
私はただ"嘘"をつかれたくないだけなんだ
泣いても泣いても涙は止まらなくて
涙はずっと、ずっとこぼれ落ちてくる
どんなに叫んでもただ声が枯れるだけで
その後はただ喉が痛いだけ
【誰か、私を…助けて……】
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私は何時からだろう笑わなくなったのは
それからはいつも通りご飯を食べて
いつも通り顔と歯を磨いて制服に着替えて
そしていつもの様に
母親の声が聞こえてくるそれと一緒に心の声も聞こてくるだから、私はいつもの様にヘッドホンをする
ヘッドホンを被って音楽を聴くと心の声も聞こえなくなるから楽になる
そうなん事を思いながら学校に向かって歩いていたら学校に着いていた
いつもの様に校門を潜って下駄箱に自分の靴を入れて教室に向かって歩く
教室に着いたら自分の席に着いて授業の授業をしながら音楽を聴く
それからはチャイムが鳴ってホームルームが始まる、先生の話は何時もよりも長くて退屈だ
そう話を続ける先生の話を聞かずに寝ようとする
そう言われると皆から視線が集まってきた
ヘッドホンを外せば分かる本音
『雄英って偏差値75以上の所行くとか流石』
『相変わらず、ウザ』
『絶対無理だろう、てか落ちろよ』
『彼奴がヒーロー志望とか無理すぎ』
『絶対に落ちるだろう』
『あれがヒーローとか最悪じゃん』
皆、表では
「凄いね」
「あなたなら行けるよ」
「通ったら学校初じゃね?」
「あそこ目指すとか私は無理だよ」
「あなたは流石みんなと違うね」
「あなたってヒーロー志望とか将来有望だね」
私を褒める人達
だけどそれは表上だよね?
だけど、私も私で嘘をつく
そう言ってヘッドホンを被る
私は私を偽って楽しいのだろうか?
ふと思った事、だけどそれは昔からやってる事
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!