黒い影は石を川に投げながら言うのに対して白い影は天使爛漫に笑って私に花冠を被せてくる
白い影に目線を合わせながら頭を撫でる
そう言ってさっきまで川の近くに居たのに今は緑の葉がいっぱいついている木の上にいた
そう言って白い影は私に写真を渡してきて黒い影と共に何処かに消えていった
泣く事を堪えながら写真を見る
写真の中に写っているのは作り笑いをしながら母と父の手を握りながら笑ってる自分が居た
そして母と父も笑っていた
さっきまで泣く事を我慢していたのに涙が溢れてきて写真が涙のせいで濡れていくポタポタと
「居た!!!」
後ろから声がしてきて後ろを振り向くと緑谷と爆豪と轟が居て私はどうしたらいいのか分からなる
そしたら手首につけいた鈴が揺れて音が鳴る
鈴が揺れる度に背景が変わっていく、そして映るもの全て私の記憶で見る度に思い出される
全て私の視界から映されてるもので鈴が揺れなくなって背景が変わらなくなって止まった
【お母さんは私を愛してる?】
そう言って母は笑って私の頭を撫でる
さっき、白い影が言っていた言葉「”それって嬉しいね”」ってこういう事だったんだ
【お母さんは、あなたを愛してるよ】
涙零れてきて写真がより一層濡れていく、そして私は膝から崩れ落ちて写真を握り締めた
そして、背景は変わること無く流れて行く
私を見ている人達が居る、だけどそんなのどうでもいいんだよ…私は私はずっと……
誰にもすがろうとしもしなかった
ただ、自分は普通の子供で両親に愛されたかった
どんなに声を掛けられても私はただ、何者かになり無かったんだ、なのにまだ何者にも…
そう言われて顔を上げると手を差し伸べてくれる人が居て私はその手を取った
白い影が教えてくれた事
そう言って私の手を引きながら何処かに向かう
私はきっと…何にもなれてないんだ…この人達は私よりも凄い存在で…私は…必要なんてされてないんだって時折、そんな事を思う
きっとこの先の私は醜く愚かな存在だ
手を差し伸べくれたこの人達は私という存在を
助けて何になるんだ、そんな疑問が私の頭の中を駆け巡って私の思考を鈍らせる
そしていつ間にか手を差し伸べてくれていた人の手を振りほどいて走って行く私が居た
そんな私が
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。