第4話

なんでおるん、?
2,902
2022/03/24 02:17
渡辺翔太
(¯¬¯)Zzz……


しょっぴーとラウと俺は今日も屋上に来とった




俺らのお気に入りの場所。



太陽がぽかぽかしてて気持ちええんよなぁ



流石に雨の日と真夏は行かへんけどさ?



今の季節は春。



ええ感じにあったかくて、時おり吹くやさしい春風が俺はすきや。


向井康二
俺ここほんま好きやわ…
ラウール
それは良かったね、僕もすき


にこにこと無邪気に笑うラウは可愛い。





……喧嘩の時と大違いやな(笑)





まぁそんなこと言ったら俺もやねんけど





俺が“スノグループ”に入る前も




よく“あの子”とここに来とったな…




今頃どうしてるんやろ、?



ラウール
ーーーーん!康二くん!!


ラウに名前を呼ばれて我に返る





俺、何を思い出してるん?





今更あの子に合わせる顔なんかないやろ



向井康二
ごめん、ぼーっとしとった
ラウール
大丈夫?康二くん、なんか辛そうだった
向井康二
大丈夫やで、気にせんといて?


俺、そんな顔しとったんや…




でもそれはもう過去の話。





早く忘れんと……





あの子を忘れるために、




記憶を消し去ってしまうために、




俺はここにおるんやから



ラウール
そろそろ戻る?岩本くんとふっかさんも帰ってきてるかな
向井康二
そうやな、帰ってきとるかも。
渡辺翔太
(´-﹃-`)Zz…


返事がないしょっぴーは多分寝とるやろうな。




きょろきょろと2人で辺りを見回すと




ベンチの上で横になって寝とるしょっぴーを見つけた



またか、まぁいつもの事やけど


ラウール
翔太くん起きて!


ラウがしょっぴーの身体をゆすって




起こそうとするが全く起きる気は無い




もうこれは無理やり起こすしかないんよな…




ちょっと可愛そうやけど。


向井康二
しょっぴーおはよう!!!


手をぐいっと引っ張って無理矢理身体を起こす



しょっぴーの幼馴染であるだてさんに



教わった起こし方。




これやっても寝ちゃう時はあるんやけど



基本これで起こせる


渡辺翔太
…ん、なに
向井康二
もう行くで
渡辺翔太
えぇ、もういくの?
ラウール
また明日もこよーよ!ね??
渡辺翔太
……わかったよ、


しょっぴーは眠そうな目をこすりながら




ドアの方へと歩き出した。




俺たち2人もそれに続く




階段降りる時、おぼつかない足やったから




ちょっと心配しとったけど(笑)




なんやかんやで無事に基地まで着いた

向井康二
やっぱ屋上は最高やわ!
ラウール
ねぇそれおっさんみたい(笑)
渡辺翔太
…ねむい。
宮舘涼太
翔太、また寝てたのか?
渡辺翔太
あったかくて寝ちゃった
佐久間大介
翔太猫かよ!


佐久間くんが言うのにどっと笑いがおこる




確かに、猫なのかもしれん




ツンデレやしすぐ寝ちゃうしな(笑)





すると張本人のしょっぴーは




欠伸をしながら何食わぬ顔をして一点を見つめる


渡辺翔太
てか、そこの子だれ?


しょっぴーの視線の先。





俺は一瞬凍りついた





長い前髪にもう綺麗な制服に着替えているが、





みずほらしく汚れている制服が





横に畳んで置いてある




それはきっとその子のものだろう。





そして数々の傷や痣に、同じ青色のスリッパ。





俺が最後に会った時と彼は一変していた





傷や痣だって、なかった訳じゃないけど





ここまでじゃなかったはず




岩本照
あ、そうそう。紹介するな


岩本くんはこっちに来て




その子のことを紹介しようとしてくれるんや




と思うんやけど





俺はそれどころではなかった






全然怖くなんてないのになぜか足ががくがく震える






喧嘩の時でもこんなことはなかったのに。





あべちゃんと向かいになって座っとる子。






紛れもなく、“あの子”やと俺は確信した





俺が間違えるはずがない





整った顔立ち




長いまつ毛にくっきり二重でたれ目な彼。





それはあの時から全く変わらない



向井康二
────蓮?


震える声で俺は言った



そうやんな、“蓮”やんな?

深澤辰哉
なになに、康二の知り合い?



知り合いていうか、親友くらいの仲やったけど





でも、もうそんな仲やない





じゃあなんと言えばいいんやろ?






考えれば考えるほど分からんくなって





俺はふっかさんが聞くのにこくんと頷いて答えた



向井康二
な、なんで……


なんで蓮がここにおるねん?




ここはヤンキーらが溜まるとこやぞ、、




蓮が来るようなとこじゃない

目黒蓮
こーじ……?康二…だよね、??


蓮は目を見開いて俺を見つめとる





長い前髪の隙間からやけど、





彼の両目が潤んでるのに気づいた





すると、何を考えんやろうか





彼はすくっと立ち上がった


阿部亮平
あぶないよ、


あべちゃんが止めるも




止めることはできず




蓮は右足をひょこひょこかばいつつこっちに来た





目の前に立った蓮はあの頃よりも





ずっと身長が伸びており




前まで俺より低かったのにな、




同じくらいにまでなっていた



目黒蓮
ねぇ、ほんとに康二なの
向井康二
……そうやで


そう答えると、大粒の涙が蓮の頬を伝った


目黒蓮
良かった……!


ぎゅう、と抱きつかれる




その拍子に、ふわりと蓮の匂いがした






……なつかしい。





俺も蓮の腰に目を回してぎゅっと抱きしめた





すると、自然と涙が頬を伝う



向井康二
……ぜんぶ、全部。俺が悪いねん


そう、全部俺が悪い




それだけは言いきれる




なんで俺泣いとるん?




泣く資格なんてないやろ、




涙を止めようとするが止まらんくて。




とめどなく溢れてくる涙を、




俺は自分の意思で止めることができんかった